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「小鳥遊の息子……ってことは」 「パーティーに1度も顔を出したことがない、あの小鳥遊くん…だ、よね?」 「ん、うん。パーティーとかには参加したことないかな」 「そうなのか…噂は本当だったんだ……」 「噂?」 「うんうん。公の場に1度も顔を見せなかった小鳥遊の子が今年からこの学校に通うらしいって、おれたちの間では凄い噂になってたんだよね」 他にもいろんな噂がたってるんだけど…… そう言いながら、じぃーっと観察するように見られる。 (あ、れ? やっぱそういうの出てないのってまずかったかな。噂たつくらいやばかったやつ…) 凄くまじまじと見られて、居心地が悪い。 「ぇとっ、あの……」 「ぁ、ごめん!おれたちパーティーとか参加してるから大体の子はわかるんだけど、小鳥遊くんはいつもお休みしてたからどんな子なんだろうなぁってずっと思ってて!」 「変な意味じゃないんだ本当に。ただ純粋に気になってただけで……嫌な気にさせたならごめん。」 「ううん全然。 こっちこそ、本当はもっと早い時に2人に会えたかもしれなかったのに参加できなくてごめんね。僕、生まれてからずっと身体が弱くて中々外に出れなくて……」 ハルはパーティーには行かせてもらえなかった。 俺が今みたいにハルのふりをして行くこともできたけど「行きなさい」って父さんと母さんが言わなかったから、参加しなかった。 『他の子みたいにパーティーなんか行ってコネや繋がりを築かなくたって、ハルはやっていけるわ。 だから、自分の身体を1番に考えて?』 そう息子に言い切れるのは、恐らく両親のプライド。 本当に、すごい親だと思う。 「何で小鳥遊くんが謝るの!? それ全然悪いことじゃないよっ! でも…そっかぁ。いつも体調が麗しくないからって聞いてたけど本当だったんだね。 今は? もう平気なの?」 「昔ほどじゃないんだ。今はそんなに熱も出ないし、大分安定してて……」 「そっか…そっか、そっか!」 嬉しい嬉しい!というように丸雛がえへへと笑った。 (凄いな、俺たち初対面なのに) こんなに心配されて嬉しそうに笑ってくれて。 なんだかこちらまでむず痒い。 「ってか小鳥遊の息子なら……俺たち同い年か」 「!! そっか、そうだよ同じ学年だ!」 「ぇ、そうなのっ?」 「うんうん!おれたちも今年1年生なんだよね。 うわぁ…3人とも一緒のクラスにならないかなぁ……!」 「いや、それ相当運良くないと無理じゃないか?」 「はい、カズマ黙って。いーじゃん別に夢見たって!それにおれ運いい方だから絶対大丈夫だよ! 小鳥遊くんも、任せて!!」 両手で握りこぶしを作って「おっしゃー!」とガッツポーズする丸雛に、その両隣に座ってる俺と矢野元はチラッと目を合わせて苦笑する。 「あ、ちょっと2人とも? 何笑ってるの?」 「クスクスッ、ううん何でもない。本当に同じクラスになれたらいいねっ」 「だな」 そのまま3人で「ねー!」っと笑った

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