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そして、そのままゆっくりゆっくり来た道とは逆方向に森林を抜けると。 そこには 「「プール……」」 「だな」 パーっと広いプールがありました。 「なるほど…校舎があって森林挟んでプールになってるんだー!」 「学校の特色を踏まえて、かな?」 「だろうな……森林はカモフラージュか」 確かに、体育館とグラウンドはあったけどプールは見当たらなかった。 成る程…離れたところにあったのか。 「プールの先は行き止まりかぁー……戻る?」 「そうだね、校舎の方に帰ろっか」 「わかった」 またゆっくりゆっくり、来た道を戻って行く。 (そういえば……) 俺、さっきからずっと2人と手繋ぎっぱなしだ。 2人からの熱や感触に慣れなくて、今更になってむずむずしてきた。 (な、何か恥ずかしい……っ) 「…ん、ハル? どうかした?」 「疲れたか?」 「ぇ、ううんっ、何か……えぇっと」 突然顔を赤くし始めた俺に〝?〟を浮かべる2人。 「ぁ、あのっ、本当に今更なんだけど…… 手、繋ぐの恥ずかしいなって思っただけで、そのっ」 「ん?これ?」 「嫌なのか?」 「嫌じゃないよ!? 寧ろ嬉しい、本当に! でも、僕あんまり人肌に慣れてないっていうか、他人の体温?に慣れてないっていうか、その……」 ハル以外に触れられたことのない俺。 俺や両親、屋敷の人たち以外に触れられたことのないハル。 多分、俺たちはよく似ている。 他人の体温に慣れてなさすぎて、どうすればいいかわからない。 「…何かハルって人間に慣れてない小動物っぽいよね」 「わかる、綺麗な野良猫的な感じだよな」 「そうそれ!そんな感じ!」 「え……?」 「触られてビクってなるところとか、警戒してるとことか、後じぃぃっと観察されてる感じとか、何か様子伺ってる野良猫っぽい!!」 「野良…猫……」 「そう!言われたことない?」 なんか、そんな警戒しなくていいんだよーこっちおいでーって感じ。 わかる、懐かせて安心させてやりたい感じだな。 うんうん! 俺を挟んで交わされてる会話が、理解不能過ぎる。 (そんなこと言われたことなかったけど、俺野良っぽいの?) 謎すぎる…… 「あははっ、ハルが頭に〝?〟浮かべてる! 可愛い」 「?」 「自覚無いのもハルらしいな」 「ねー、ハルはそのままでいてね?」 「う、ん?」 「ふふふっ」

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