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side佐古: 料理教室 1
「はぁぁぁ…………」
あれから2日。
俺は今107号室のドア前にいる。
(「早く帰ってこい」って言われたから消灯時間5時間前に着くって…俺真面目か……?)
早く着いたが、部屋にはあいつがいる。
(くっそ…気まずい………)
一昨日ポツリと言った言葉があいつの逆鱗に触れたみたく、空気が変わってしまった。
あぁぁくっそ……
大体、何で俺はこんなに悩んでんだ…?
たかが同室者、俺とは住む世界が違うやつ。
今までと一緒じゃないか。
(なのに、何でこんなグルグルしてんだ俺……)
あいつのつくった飯が美味かったから?
あいつが俺の目を真っ直ぐ見たから?
あいつが櫻さんみたく優しく笑ったから?
ーー友だちになりたいって、言われたから?
「っ、くそ……っ」
自分で自分がわからなくて、気持ち悪い。
とにかく、早く部屋入んねぇと。
いつまでもドア前にいるとか、それこそ気持ち悪りぃ奴だ。
覚悟を決めて、腹くくって。
(平常心だ…いつもの俺だ……)
そう思ってるって時点で既に平常心じゃねぇし何かに心を乱されてるってこととか、そういうのは今は置いといて。
大きく吸って、大きく吐いて。
変に緊張してガラになく冷や汗が出そうな感覚を、グッと体の奥に沈めて。
カードをセンサーにかざした、ーーその瞬間。
ガッシャーーーーン!!
「、っ!?」
何だ!? とそんな疑問が脳内に浮かぶ前に
あれ程躊躇していた手が、勢いよくドアノブを開けた。
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