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勢いよく靴を脱ぎ捨て走って部屋の中に走って行く。 と、 「いったーい!」 頭から真っ白い粉を被った天パーがひとつ。 (……ん?) 天、パー…だと………? 「あぁもーイロハ何してるの? あんまり慌てるとコケるって言ったじゃん」 「大丈夫ー?」と、あいつが心配そうに天パーに話しかけている。 (何だ、今のは天パーがコケた音だったのか) 良かった。 「…………ん?」 (良かっ、た?) は? 何が良かったんだ俺。 (なに今、俺何考えてた?) 俺は、今あいつが倒れたのかと思って慌ててーー 「はい、何か凄い百面相してるけど取り敢えずその疑問は置いとけ、佐古」 「っ、は……?」 パッと前を向くと、何かいかにもスポーツやってますって奴がいた。 「え! 佐古くん帰ってきたの!?」 白い頭のまま勢いよくこっちを向く天パー。 「あっ、おかえりなさい佐古くん」 天パーの髪に着いてる粉を落としながら、あははと一昨日みたく優しく笑うあいつ。 …………は? (何か、増えてね……?)

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