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「ーーーーえ?」 今、イロハとアナウンスは、何て…………? (りゅうが、ざき) 『いいことアキ。婚約者の名前をしっかり覚えなさいね? あそこは私たちの大事な取引先でもあるのよ?会社にも大きな利益だしハルの為にもなる、私たち〝小鳥遊〟と張り合える日本の企業は、あそこくらいよ。 覚えなさいーー〝龍ヶ崎〟を』 う、そだ。 『あそこの息子さんは大層出来が良い。成績優秀容姿端麗、将来は会社の後継にも大抜擢されている、正に言いようがないほど素晴らしい子だ。 だが、分かっているね? アキ。 あの子のこと、 ーー〝レイヤ〟君のことを、しっかり見てくるんだ。 ハルの為にも、我々小鳥遊の為にも……』 (れい、や) そうーー〝龍ヶ崎 レイヤ〟 その名は 日本で、小鳥遊と並ぶ家柄。 そして ーーハルの、婚約者の……名だ。 (あの人が、ハルの……) 呆然と、ただ呆然と…指名された龍ヶ崎レイヤを見上げる。 (ハルの…婚約者………) 『もしそいつが弱い奴だったり性格最悪な奴だったりしたら、ハルの代わりにビシッとしごいてくるから!』 『あはは!アキ本当にやってそう、笑顔でしてそう!』 ごめん、ハル。 (折角笑顔で、あぁやって宣言してきたのに…… 俺…出る幕なさそうだ……) 何か恥ずかしい。 あの人をしごけるなんて、絶対できない。 寧ろ、俺があの人にしごかれそう。 それくらいに、 龍ヶ崎レイヤは〝完璧〟だ。 歩き方、立ち振る舞い、表情、声、存在感。 全てにおいて洗練されてる、正に非の打ち所がない人物。 (あいつになら、ハルを…任せられる、かも、な……) 『アキっ』 (ハル……っ) いつも、一緒だった。 一緒にいることを嫌う母さんに何度言われても いつもいつも一緒だった。 (これからは、別々、なんだ…な………) 何かあったら。 龍ヶ崎に何かあったなら、全力で止めようと思った。 「大事な大事な片割れを、あんな半端な奴に託すのかよ!」って、今まで一度も反抗したことの無かった母さんと父さんに初めて反抗するつもりだった。 でも、ここまで洗練された人間を俺は初めて見た。 見とれてしまったのだ、俺も。 (これは、何も…言えない、なぁ……っ) 龍ヶ崎レイヤを見て、ハルとの別れが一気に目の前にきたような…そんな感覚がして。 『アキっ』 ハル…… ハルの婚約者は、素晴らしい人だったよ。 (母さんと父さんの言った通りだった) 俺も、この人になら…ハルを……… (だからね? ハル) 嗚呼、視界が滲む…… いっぱいいっぱい…幸せに………っ、なっtーー 『おぉいてめぇら! 聞いてるかぁ!!』 『『『『キャァーーーー!!!!』』』』 『『『『ウォオーーーー!!!!』』』』 …………ん?

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