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sideアキ: ハロー生徒会室 1
「はぁぁぁ…………」
学校ではこれから4限目が始まるところ。
そんな中、俺は1人ポツンと〝生徒会室〟と書かれた扉の前にいる。
(俺……本当に生徒会役員になったのか………)
『お前に与えられた役員名は〝生徒会長専属秘書〟だ。
既に役職が全部埋まっててな、今回は異例でお前が〝小鳥遊〟である事・生徒会長である龍ヶ崎の〝婚約者〟という事・そしてお前の〝成績〟が生徒会入りに申し分無い事から、特別に継ぎ足された』
此処へ来る前、職員室で梅谷先生が教えてくれた。
『生徒会長…専属秘書……?』
『あぁそうだ。お前の活動時間は体育の授業中。忙しい時は例外で放課後も活動してもらう事になる』
『…? どうして体育の授業中なんですか?』
『お前体の事もあり体育は見学だろ? いくら体の事とは言え、毎回見学だと流石に成績を付けるのに困る。それに体育科の奴らが悩んでてな。
そんな時生徒会長が現れたらしい』
〝彼を生徒会役員にするのは如何でしょう?
そうすれば役員の「仕組み」を利用して彼を授業中でも活動させることが可能です。それに、彼は小鳥遊であり俺の婚約者でもあり成績も優秀だ。生徒会に入るに相応しい。
決定したら俺が役職を1つ増やしますが、どうですか?〟
それに体育科の先生が同意→学年主任へ相談→決定
の流れで、あっさり決まったのだそうな。
生徒会と風紀は、忙しい時は授業中に活動しても授業免除となる仕組み。
今回は、それをハルの体育時間に上手く当てはめるというもの。
『まぁ、そんな訳でこれからは体育の授業中は生徒会室に行ってもらう。初めだけ場所教えてやるから、次からは自分で行けよ』
そう言って俺をさっさと送り届けて「頑張れよー」とヒラヒラ手を振り立ち去った先生は、何だか凄く楽しそうだった。
(何だあれ、先生何であんな楽しそうなんだ?)
あの顔はあれだ、何かを企んでる様な…ワクワクしてる様な……
(他人事だと思って…はぁぁ……)
ってか、それにしても。
ボソッ
「あの野郎………」
確かに、ハルは体の事もあり体育は絶対無理だ。
今回はそこを上手く逆手に取られた。
(完っ全にやられた…くっそ……!)
何だこれは!食堂での恨みか!?
こんな姑息な真似しやがって……やるなら正々堂々正面から来いっての!
(しかも何だよ〝生徒会長専属秘書〟って……!
ただの〝雑用係〟って意味だろ絶対!!)
上手いこと事付けやがって…俺はまんまとあいつに嵌められたのか……?
「っ、くそ……でも………」
(体育の成績を考えると、確かにそうだよなぁ……)
それに今回の事はもう既に決定されていて、覆すにはそれなりの理由がないと難しそう。
(はぁぁぁ……取り敢えず、やってみるか…)
動いてみない事には何も始まらない。
「小鳥遊くんがご実家へ帰られている時にカードを更新しました。これで生徒会室にも入室可能ですよ」と、今朝櫻さんから渡されたカードを手に取る。
「すぅぅぅ…っ、はぁぁぁ……」
(やってみて、ハルが難しそうだったら降ろしてもらおう)
「…………よし」
ピッ
「失礼しますーー」
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