「まさか、こんなに早く呼んでいただけるとは思ってもみませんでした」 「こういうのは早い方がいいかなと思って……」 小鳥遊様は紅茶でよろしいでしょうか？ はい。有難う御座います、月森先輩。 早めにルール決めをしておきたいなと思って尋ねた先輩の部屋。 「仰って頂いたら場所を考えましたのに…ご足労おかけしてすいません」と申し訳なさそうに通してくれた。 余計なものはない、正に先輩のような部屋のテーブル席に「どうぞ」と案内される。 「それにしても、小鳥遊様は随分親衛隊に関して積極的なのですね」 「えっ、だって僕の為に集まってくれていますし…他の方はここまでされないんですか？」 「そうですね。基本的には設立の許可を出すだけで後は好きにしてください、という方が殆どですよ」 (そうなのか…皆んなそんなもんなんだな……) 「ふふふ、小鳥遊様は素直な方なのですね。私は積極的に親衛隊と関わりを持とうとされる小鳥遊様を、これからも支えていきたいと思っておりますよ」 カチャカチャと紅茶の準備をしながらニコリ振り向かれる。 「ぁ、有難う御座います…っ」 (う、わぁぁぁ…何か恥ずかしいぞこれ……！) 「クスクス、お顔が真っ赤です小鳥遊様。本当に表情豊かですね。 実は、私の他にも後1人呼んでおりまして、もう間も無く来るかとは思うのですがーー」 バタン！ 「すいません、遅れました！！」 「タイミングいいですね。ちょっと迎えに行って参りますので少々お待ちください」 (？ 誰だろう…) やがて先輩に連れられて来たのは、イロハと同じくらいの身長に、黒髪の目がキリッとしてる可愛い子。 緊張してるみたいに俺に近づいて、ペコッ！と大きく一礼して目の前の椅子に座る。 (視線がずっと下向いてる…怯えなくても何もしないのに……) コト、とタイミングを見計らったように先輩がそれぞれに紅茶を配っていって。 「さて。 それでは、小鳥遊様の親衛隊のルール決めを行いましょうかーー」