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sideアキ: メダルの話

「ーーってことがね、あったんだよ!!」 「へぇーそうなんだ!」 屋敷に帰る日が来て、速攻ハルの部屋に駆け込んで話を聞かせた。 「これがそのメダル!」 「おぉー! 意外と大きいねぇ……」 「だろー!俺もそれ思った。後ね、結構重いんだよっ、ほらっ!」 ハルの両手にメダルをポスッと落とす。 「わっ、本当だ…意外と重たい……!」 「ね!これが本物の金だったらもっと重いんだろうなぁ……」 「そうだねぇ…どれくらい重いんだろうね」 「んんー……この3倍くらい?」 「もっとかもよ~、5倍くらいとか」 「えぇっ、それだと重すぎて首折れるだろ」 「あははっ、折れるのは流石にやだなぁー」 「俺もやだっ」 顔を見合わせてクスクス笑い合う。 (こんな話が出来るのも、会長のおかげなのかな) ハルもすごい楽しそうだし。 まぁ…感謝、する。……ちょっとだけ。 「ハル、頭こっち向けて。かけたげる」 「ん、わーいありがとっ!」 かけてかけてと頭を向けてくるハルに、そっと紐を通す。 「わ…実際首から下げると全然違うね……」 「だよな、結構ずっしり来ない?」 「来る来る。ふふふっ」 暫くそのまま下げて楽しんで、ハルは「はい」と返して来た。 「……? 何で返すんだ?」 「え?だってこれはアキが貰ったものだよ?」 「何言ってんだよ。これはハルが貰ったものなの」 俺がハルになって貰ったものだから、これはハルのもの。 俺のものじゃない。 「だから、ハルが持ってて」 「で、でも…」 「ね?」 「…………わ、かった……」 「クスクスッ、よく似合ってるよ」 よしよしと頭を撫でる。 「ーーねぇアキ?」 「ん?」 「会長とは、上手く和解出来たみたいだね」 「は、和解……?」 「だって、この前帰って来た時アキ凄かったから……」 (あ、そうだった) この前帰った時はシャツ破かれた事件勃発中で、ハルには愚痴しか聞かせてなかった気が…… 「ふふふっ、今日は穏やかそう」 「えっ」 「だって会長のこと話してるアキ、凄く楽しそうだよ?」 (楽し、そう…?) 確かに、体育大会という行事があったこともあり会長とは一緒にいる時間が多かったけど…… 「楽しそうなんて、無い無いっ」 (俺はまだ認めてねぇぞ) まだまだ、俺はお前をハルの婚約者とは認めない! (……そりゃ…ちょっとはマシになったけどさぁ?) でも、まだまだ。 まだまだまーっだ、駄目だ。 「ふんっ、俺はまだ認めてねぇもんっ」 「ふふふっ。 ポソ ……が付いたね。」 「ん? なに?」 「んーん。 そっかぁ、アキのハードルは高いなぁ」 「当たり前だろっ!ハルを任せるんだ、そんな生半可な気持ちで来たら叩きのめすのみ!」 「クスクスクスッ、もーアキったら~〜っ」 前回よりも楽しく話をして、俺はまた屋敷を後にした。

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