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[体育大会での龍ヶ崎家(少し時間がさかのぼります)]
父「おーーい、レイヤ!」
母「レイヤー!久しぶりねぇ!」
レ「ん、………あぁ、久しぶりだな」
月「お元気そうで何よりです、レイヤ様。
ーー少々お疲れのようですが」
レ「そりゃ当日ギリギリまでバタバタしてたからな。ったく…高校の生徒会はやる事が多いんだよ……」
月「左様ですか、お疲れ様でございます。終えられたらゆっくりとお休みくださいね」
レ「あぁ。そうすrーー」
父「そ・れ・よ・り! レイヤっ、小鳥遊の子は何処だいっ?」
母「そうよそうよっ、私たちの息子になるのよ、何処にいるのかしらっ!」
月・レ (…あんたら、自分の息子よりそっちかよ………)
レ「あいつは体育大会は出ねぇぞ」
父・母「…………え?」
レ「元々体が弱えぇから、体育の時間に生徒会の業務やって成績もらってる奴だ。今も生徒会室で業務してる」
父「な、なんと………」
母「生徒会室へ、行くのは……」
レ「ハッ、部外者禁止に決まってんだろうが」
父「そんなぁ~~~~」
レ「ククッ、残念だったなぁてめぇら。 じゃ、俺は行くから」
母「あ、後半も気をつけなさいよ!」
父「私たちもこれから仕事が入っててもう出なくちゃいけないんだ。レイヤ、怪我だけは注意しなさい」
レ「はいはい、わーってるよ」
月「それではレイヤ様、またお会いしましょう」
レ「おう」
父・母「たまには帰って来なさいよ~!」
レ「…………」
月「それでは、車のドアをお閉めいたします」
母「えぇ、有難う」
パタン
父「ーーー体が弱い、か……」
母「ふふっ、それは本当でしょうかねぇ…」
父「うーん。やっぱり実際に小鳥遊の子と会って話してみないと、わからないなぁ……」
母「そうねぇ…それにしても、なかなか会えないわねぇ~」
父「面白いくらいにタイミングが悪いよねぇ。まぁ、それもひとつの運なんだろうけど。
あーあ、早く会いたいなぁ。〝小鳥遊の子〟や〝レイヤの婚約者〟なんて呼び方、長くて長くて……」
母「そうねぇ」
父「はやくどっちか、 確かめたいねぇ」
母「えぇ。書類上では〝ハル〟くんと書かれていたけど……」
父「あの一族が、そう簡単に1番大切なものを出すとは思えないからなぁ」
母「ふふっ。あなた、成長した子猫を見るのが楽しみなのでしょう?」
父「それは母さんもでしょ? あの子も、ほんの少ししか話せなかったからなぁ」
母「そうねぇ。
もしあの子がレイヤの婚約者だったら、まずは思いっきり抱きしめてあげたいわ。勿論ハルくんでも同様だけれど」
父「クスッ、そうだねぇ。まぁ、またタイミングが来るだろう。運に身を任せようか、母さん?」
母「えぇ、そうねぇあなた」
ガチャッ
月「申し訳ありません、駐車場の件で遅くなりました。ただ今出発いたします」
父「いいんだよ月森。有難う」
月「は」
母「流石はこの学園の体育大会ね。次々車が来ているから、駐車場も大変ねぇ」
父「月森、次の会議の資料もらえる?」
月「こちらです」
こうして、一台の黒光りする綺麗な車は出ていった。
彼らが〝小鳥遊の子〟に会うのは
まだ、先のことーーーー
[体育大会編]-end-
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