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【期末テスト編】sideアキ: 体育大会の、次は……
【期末テスト編】
Q. 問題です。
体育大会が終わったら、次は何が来るでしょうか?
A. 答えはーー
「あぁぁぁ…期末テストだよぉぉ~……」
うぁぁ…とイロハが机に倒れこんだ。
「ふふふっ、大丈夫だよイロハっ」
「ハル、何を根拠に大丈夫って言ってるんだ?」
「え、だってAクラスじゃん」
「はぁぁ……ハル、それは根拠になっていない」
「? どうしてカズマ?」
「こいつがAクラスに入れたのは、俺の類稀なる努力の成果があってだnーー」
「カズマうるさいっ!!」
ポカっ!とイロハがカズマを叩く。
「あーあーどうしよう…テストやだよぉぉぉ……」
「うっせぇなぁ……そんなこと言ってる暇ありゃ勉強すれば良いじゃねぇか……」
「勉強したってわかんないものはわかんないんだもんっ!それに、質問だらけで……」
「わからない、ねぇ…お前ちゃんと授業聞いてなかったのか?」
「なっ、佐古くんより真面目に聞いてるよ!それでもわからないの!
あーもー何でおれの周りには出来る人しかいないの~? 出来ない人の気持ちなんてきっとわかんないんだ~~うわぁぁぁんっ」
涙目になって机に突っ伏したイロハの頭を、よしよしと撫でてあげる。
(テスト、ねぇ……)
俺も佐古の意見だなぁ…授業受けて教科書読んどけば解けると思うんだけど……
(イロハ、そんなに勉強苦手なのかな…?)
〝友だち〟として、力になってあげたいなぁ……
(あ、そうだ)
「みんなで、〝勉強会〟しよう?」
「……勉強会?」
「うんうん。佐古くんは英語すごい得意だよね、発音も完璧だし」
「まぁな」
佐古は見かけによらずかなーっり英語が得意だ、見かけによらず(大事なことなので2回言いま(以下省略))
最早ネイティブなんじゃ?ってくらいに発音がやばい。
「カズマは理数系の教科が得意だよね」
「そうだな」
「僕は極めて得意ってものは無いけど、2人の教科以外の科目…国語とか教えるよっ」
「……いぃの…?」
「ふふっ、勿論だよー。僕らだって誰かに教えるの復習になるし、より頭に入るし。一石二鳥だと思わない?」
「ふぇ、ハルぅ…っ、カズマと佐古くんは……?」
「手伝うぞ。今回はハルも佐古もいるしな。わいわいすればお前も楽しく勉強出来るだろう」
「………お前、本気で勉強するか?」
「…っ、ぅん、本気でする!だって来年も3人と一緒のクラスがいいもん!!」
「……そうか。 じゃぁ、教えてやる」
「!!」
「だがちょっとでもサボったら俺もすぐ出てくからな。わかったか」
「っ、はぃっ!」
(クスッ、佐古も何気に面倒見いいからなぁ)
「うぅぅみんなありがとぉぉ…!ハル提案ありがとっ。」
ぎゅぅぅとイロハに抱きつかれて、クスクス笑う。
「友だちだからねっ、困ってたら助け合うのが当たり前でしょう…? そう教えてくれたよね」
「っ! ぅ、ん…ありがと……っ」
「よしっ、じゃぁ決定!早速明日からしよっか。放課後で、場所はその場その場で考える?」
「そうだな。ころころ変えた方が気分転換にもなるだろうし、その場で決めよう。佐古もそれでいいか?」
「おう」
「ぁ、ぁのっ、せんせー方」
「? どうしたのイロハ?」
「お、おれだけ3人から教えてもらうのはちょっと緊張しちゃうというか…勿体無いというか……
だから、その、もう1人誘ってもいいかなぁ…?」
「……? うん、良いけど…誰誘うの?」
「タイラちゃん!!」
「タイラか。そうだな…確かあいつも勉強で嘆いてたな……」
「でしょっ!タイラちゃんいたら生徒2人先生3人だし、いい感じだと思う!」
「生徒2人、ね。まぁ、俺は別にいいけど……ハルと佐古はどうだ?」
「うん、いいよ」「まぁ、いんじゃね」
「よぉっし決定! じゃぁおれタイラちゃんに話してくるねっ」
「はぁい、いってらっしゃい~」
(ふふ、タイラもすっかり溶け込んだなぁ)
ハルの親衛隊副隊長に任命されてから、隣のクラスという事もあってよく会う事が多くて。
知らず知らずみんな仲良くなっていた。
(勉強会、かぁ……)
「誰かに勉強教えるの、初めてだなぁ」
「俺も」
「そうなのか。まぁ、恐らくイロハとタイラのレベルは同じくらいだろうし、こっちもお互い助け合ってやってこう」
「はーぃ!なんかカズマ、本当の先生みたいっ」
「な、止めてくれハル……」
「ふふふっ」
(楽しくなりそうだな)
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