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怖すぎて、もう訳がわからない。 そんな中、パサリとジャージを取り払われた。 「っ!? やだっ、やめて!」 「あぁ……! お綺麗ですハル様ぁ…でも、僕は…それよりも………」 そのままシュルリと帯を緩められて、着物の前を大きくはだけられる。 「あぁ、何て白いお肌っ!着物で更に映えて…艶やか……」 震える手で直に脇腹を撫でられ、不快感にぎゅっと目を閉じた。 でも、それとは裏腹にゾクゾクとしたものが身体を駆け巡って…どんどん熱くなっていく。 (なに、これぇ……っ、やだ……) 「すべすべ…綺麗、ハル様………」 「お願っ……もう、ゃめて…」 「止められません…こんな、真っ白いお肌に綺麗に色ずいている可愛らしいお乳首を見てっ、やめられる…はずが……」 熱に浮かされたようにブツブツと喋りながら、ゆっくりと、俺の胸にその手が伸びていく。 そして 「っあ!」 キュッと今度は何もない状態の胸を指で潰され、ピクンッと身体が跳ねた。 そのまま両手でキュッキュと摘まれる。 「ぁ、んっ、ぃや、やめて…っ!」 (やだっ、やだぁっ!) 何が起こってるか、わからない。 何でこんな声が出るのか、何でこんなに身体が跳ねるのか、何でこんなに熱いのか。 わからない。 (っ、レイヤぁ……!) 「ぁあっ、んぁぁ……っ」 「ハル様っ、かわいすぎます……ぁあ!」 もう我慢できない!と言うように、またその子が俺に覆い被さってきた。 「ゃ、やだ…レイヤっ!!」 「ーーぇ?」 (も、無理……っ) 必死に、呼んじゃダメだと思ってたけど。 「レ、イヤ…レイヤ……っ、ゃだ、ぅえぇ…」 パニックになりすぎて、どんどん涙が溢れてきて。 「ひっく、レイヤ…レイヤぁ……、レイーー ぅぁあ!」 ギュゥゥッ!と強く胸を摘まれた。 「ーーハル様…?」 「ぃ、たぃ……っ」 「ハル様…今、目の前には誰がいますか? 僕です。会長じゃない…僕だ……僕、僕、僕…この僕だ!」 「…………っ」 (ゃ、ば……) この子をどうにか上から退かせないかと、力の入らない手を必死に動かす。 ーーカツ。 指が、何かに触れた。 (っ、なに……) バレないようそっと確認すると、カードキー。 ジャージを取り払われた時にポケットから落ちたのか……? 『もしも敷地内で迷ったり、何かあったりしたら遠慮せずにカードで知らせて下さいね?』 (ぁ、櫻さん………) ーーそうだ。 そうだった……確か、このカードキーには。 『小鳥遊くんが何処にいても、直ぐに迎えにまいりますので』 (ーーーーGPS機能…ボタンが……) そして、このボタンを押したら。 『このカードキーって、ボタンを押すと誰のスマホが鳴る仕組みなんですか?』 『あぁ? それはーー』 (梅谷…せんせ………) 『担任の俺と各学年の学年主任の先生方・保健室の先生・寮監。 ーー後は、生徒会長と風紀委員長だ』 (そうだ……) 生徒会長……龍ヶ崎 レイヤの、スマホが鳴る。 「っ、」 力の入らない手で、必死にボタンの膨らみ部分を探して 今持ってる全ての力を震える指に込めて カチッと、押した。 ーーつもりだったが…… 「ハル様っ」 「ぇ、ーーっ!?」 かなり近くで名前を呼ばれてハッ!とすると、目の前いっぱいにその子のとろりとした顔。 その子は、自分の乳首を俺のものに擦り合わせようとしていた。 その状況にビクリと身体が震え (っ、しま) 手からカードキーが滑り落ちる。 ちゃんと押せたか、わからない……でも (お願い…気づいて………っ!) ーー今は、押せたことをただ祈るしかない。 「ぁ、ぁあここっ!ここですハル様っ」 「ひっ!」 その子の声が、自分の耳の近くで聞こえる。 (うぅ…やだっ!) 動けない身体で、ひたすらに目を閉じた。 だが、 「っ、んっ……!」 「ぁあんハル様……!」 乳首同士が擦れているのがもっとよくわかり、お互いにビクンッと反応してしまう。 「えへへ……僕がたくさんハル様のお乳首いじめちゃったから、敏感になって気持ちいいでしょう…? ぁあ、ハル様の…ハル様のお声が、こんなに僕の近く、に……っ!」 そのまま、その子が身体を揺らした。 「っ、ぁ! だめっ、だめぇ…っ、ぁんっ」 「ぁあっ、ぁ、ぁ、ハルさまぁっ、ぁあぁ!」 コリュコリュと互いに固くなった乳首が擦れ合って、変な感覚になる。 (ぁ、やだ、こわっ!) はぁ、はぁっ!と、その子の吐息が自分の顔にあたって、もっと怖くなった。 「ぁ、ぁあ…んっ、っねが、も、やめて……!」 「ぁああハル様っ! ハル様ハル様ハルさまぁ! っぁぁあぁぁん!!」 大声と共に、またビクンッ!とその子が大きく震えた。 (っあ…………) トロォ……と、今度は着物ではなく素肌が…温かいモノでドロリと濡れる感触がする。 それが何なのか、嫌でもわかって 「っ、いやああああああああ!!」

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