300 / 533

【反撃編】sideタイラ: 反撃の狼煙(のろし)を上げろ

【反撃編】 「よぉ、準備はできたか?」「おはようございます、皆さん」 「おはようございますっ、梅谷先生、櫻さん」 「おはよー!!」 「おはようございます」 「おはようございます!先生!」 「お早うございます」 「ん。揃ってんな…… って、龍ヶ崎はどうした?」 「レイヤならもう朝早くに出発しましたよっ。 後で合流です」 「そうなのか、分かった」 「あの、佐古くんは………?」 「佐古くんはね、さっき丁度電話をくれたんだよ!!」 「〝後で自分であいつの屋敷に行くから、先行ってろ〟とのことです」 「そうだったんですか!良かった……教えてくれてありがとうございます、丸雛くん、矢野元くん」 「ふふふっ、やっぱり櫻さんは佐古くんのお母さんみたい!手のかかる息子だ~!」 「クスクスッ、そうかもしれませんね」 「じゃあ取り敢えず始めはこのメンバーってわけだな。 ーーおし。小鳥遊・丸雛・矢野元・月森。車は準備してあるから、各自乗り込め」 「「「はい」」」 「っ、あの……」 「タイラ。これまでたくさん手伝ってくれて、本当にありがとうっ」 「後はおれたちにまかせて!絶対アキを連れ戻してくるからね!」 「行ってくる」 「行ってまいりますね、タイラ。私が留守中、親衛隊のことよろしく頼みます」 「ーーっ、はい! みなさん、お気をつけて…っ!!」 「「「おう!」」」 朝、早く。 ようやっと太陽が昇ってきたくらいの…そんな冷え込む冬の早朝。 6つの影が、白い息を力強く吐きながら車へと乗り込んだ。 そのまま、荒々しいエンジン音と共に真っ直ぐ学園を出て行く。 (っ、どうか……どうかご無事で………!) みんなが乗り込んだ車が見えなくなるまで、ずっとずっと…ただひたすらに両手をぎゅぅっと握りしめながら、祈るようにして見送った。 準備は、整った。 ーーーーさぁ、反撃の狼煙(のろし)を上げよう。

ともだちにシェアしよう!