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sideレイヤ: 探していた、あの大切なものはーー

バタンッ 「ーーここか」 車のドアを閉め、親父から借りた龍ヶ崎の付人を何人か携えながら学校の玄関へと入って行った。 「な、なんだね君たちは!!」 「……おいお前ら、話つけとけ」 「「「かしこまりました」」」 受付の事務員を付人に任せ、ひとり校舎の中を歩いていく。 『レイヤ、あのね?』 ハルから言われた言葉が、頭に蘇る。 『アキを迎えに行くのはレイヤが良いと思うんだ。多分アキは、僕なんかよりずっとレイヤのことを待ってるんだと思う。 僕はみんなと先に屋敷へ行ってるから、後で合流ね?』 (アキ……っ) 『レイヤ。アキはね、教室には多分いないと思う。 だから、アキの学校に着いたら真っ先に〝~~~〟へ行って欲しいんだ』 『は?こんな季節だぞ?なのに何でそんなところにいんだよ』 逸る気持ちと共に、階段を上へ上へとどんどん駆け上がって行く。 『だってあの場所は、〝空〟に近いから』 『は? 空…だと……?』 『うん、空。 当たり前かもしれないけれど、空はね?この世にひとつしかないんだ。 だから、何処へでも繋がってる。 この学園にも、アキがいるところにもーー』 ガチャッ!と錆びた重い扉を思いっきり開け、この学校で1番空に近い場所…… 〝屋上〟へと、たどり着いた。 そうして、辺りを見渡して 「ーーっ!!」 この寒空の下 屋上の隅っこで冷たいコンクリートに横たわっている、今にも消えてしまいそうな人影を 見つけたーーーー

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