371 / 533

エピローグ

「あ、アキネクタイ曲がってる」 「えっ、まじ?」 「うんうん、ちょっと待ってね」 よく知ってるのに初めて袖を通す、パリパリの制服。 同じ大きさの手が、丁寧にネクタイを直してくれる。 「これでよし」 「ありがと!ハルのは綺麗」 「本当? ありがと」 ふふふと笑いあって、渡し合ったマフラーを巻いた。 「さぁ、アキ。いよいよだね」 「そうだな」 ーーこのドアを開けたら、新しい日々が待ってる。 きっとドアの外には既にレイヤと月森先輩が立っていて、寮の入り口には櫻さんがいる。 学校に着いたら梅谷先生がいて、教室にはイロハたちがいて…… (うん。きっと大丈夫だ) ハルと一緒に、キュッと手を繋ぎ合った。 この先のことなんて、正直何があるかわからない。 けれど、レイヤが…ハルが…みんながいてくれるなら、きっと何だって乗り越えられる。 そう…強く思う。 だから、 「「いってきますっ」」 元気よく、扉を開けよう。 部屋を出ると……ほら、その向こうには 「おはよう」 大好きな人の暖かい笑顔が、待っているからーー -ハルとアキ- 本編(アキ編) 〈俺様 × 訳あり〉 レイヤ × アキ ~fin~

ともだちにシェアしよう!