520 / 533

3

「『他のカップルのセックスをどう想像していますか?』は、今までの話で大体わかるから却下。 性に関する話題は以上か。なんか他話したいことあるか? なかったら次行くが」 「……特に思い浮かびませんね」 「俺も。次でいいと思います」 「了解。次は…… 『このメンバーで旅行するら何処へ行きますか?』? これもそんな盛り上がらねぇな…」 「遊園地とか行くようなメンツでもないからね〜、無難なとこ選んで終わりそう」 「だよな。んー…なんかいいトピックは……」 「こんなのどうですか? 『パートナーに味があるとしたらどんな味ですか? また、どこから食べますか?』 あと、この4人に関してだったらこれも面白そう。『あなたは1日のどの時間帯っぽいですか?』」 「おお、矢野元いいな。どっちも話そう」 「まとめサイト便利ですね、こういうのゴロゴロ転がってます」 「いいね〜!それじゃあ、まず味からかな? 僕はね、ハルちゃんはほろ苦いビターな味。ほろ苦いってだけでちゃんと甘さも感じられるんだけど、でも全体的に苦い的な。 食べるところは…足の指先からかな」 「うわ、足の指先からは想像つく。 崇拝するように見上げながら少しづつ食っていきそう」 「だね。どんどん上に向かっていって最終的に顔。 でも本当は取っておくけど。どんなに食べたくても一生食べずにいれる自信がある」 「うん、まぁ龍ヶ崎先生はそうだよな。 ハルが苦いってのも納得。あれだな、ビターチョコレート的な」 「そうそうそんな感じ。 梅谷先生は?」 「櫻は…んー、味とか考えたことなかったな…… 桜餅みたいな、甘さと塩っぽさが混同してるようなやつ。いや、櫻だから桜餅ってのは安直すぎるけど、でもイメージはそうだな。 食べる場所は…手の指先からか?」 「おおー同じ指先だけど僕より近い。 近くで顔見えるしね」 「あぁ。多分恥ずかしがるだろうから、それ見ながら食いたいな」 「桜餅、お茶にも合うし美味しいですね」 「矢野元も、丸雛はやっぱ和菓子か?」 「そうですね……いや、イロハは蜂蜜みたいな感じがします。トロッとしてて甘ったるい感じが。 食べるのは、可能であれば髪の毛から」 「髪!いいねーふわふわだもんね」 「はい。天パだし柔らかいので、きっと美味しいだろうなと」 「丸雛が甘いのは俺も解釈一致。口調とか、一緒に仕事してて雰囲気とかがそんな感じ」 「会長は、アキのことどうですか?」 「んーそうだな……なんか角砂糖じゃない砂糖みてぇなので、サラサラしてるイメージ。口の中で溶けるっていう。 食べるのは勿論顔からだな」 「ははっ、龍ヶ崎らしいな」 「好物は1番初めに食うんで。一気食いするから問題ないですね」 「サラサラの砂糖わかります。 上質なもので、真っ白ですぐ溶けていくような感じの」 「そう。そもそもアイツそんなイメージだったからな。 初めて会ったときから」 「えー、次は『あなたは1日のどの時間帯っぽいですか?』というやつ。折角だし他人目線でいくか」 「会長は夜ですよね」 「だね」 「これは異議なし」 「まぁ、名前に夜が入って〝麗夜〟だから。 それならヨウダイだって昼間だろ」 「あー確かに昼間。どっちかというと真昼間って感じか」 「金髪ですしね」 「僕の名前にも太陽が入ってるからね。 大きな太陽で〝陽大〟だし。 んー矢野元くんは……朝かなぁ」 「あぁ。朝の澄み切った空気感が、落ち着いてる矢野元とよく合うというか…朝の早い時間帯だな」 「俺もそれ」 「なるほど…なんとなく自分でも言わんとされてることが分かりますね。 となると、梅谷先生は……」 「夕方かな? 暗くなる一歩手前の、1日を思い返すような時間帯。 櫻さんと寄り添って長いんだしピッタリな気がする」 「これから夜になっても、先生方なら大丈夫だろうな」 「圧倒的信頼力ですね。俺たちもそこまでいけたらいいなと思います」 「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。 俺も夕方は好きだな、夕焼けも綺麗だし、なんか切ない心情にもなるし。そういうとき人の温もりが恋しくなる。 ……あぁ、いま櫻に会いたくなったな、ものすごく」

ともだちにシェアしよう!