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「『他のカップルのセックスをどう想像していますか?』は、今までの話で大体わかるから却下。
性に関する話題は以上か。なんか他話したいことあるか? なかったら次行くが」
「……特に思い浮かびませんね」
「俺も。次でいいと思います」
「了解。次は……
『このメンバーで旅行するら何処へ行きますか?』?
これもそんな盛り上がらねぇな…」
「遊園地とか行くようなメンツでもないからね〜、無難なとこ選んで終わりそう」
「だよな。んー…なんかいいトピックは……」
「こんなのどうですか? 『パートナーに味があるとしたらどんな味ですか? また、どこから食べますか?』
あと、この4人に関してだったらこれも面白そう。『あなたは1日のどの時間帯っぽいですか?』」
「おお、矢野元いいな。どっちも話そう」
「まとめサイト便利ですね、こういうのゴロゴロ転がってます」
「いいね〜!それじゃあ、まず味からかな?
僕はね、ハルちゃんはほろ苦いビターな味。ほろ苦いってだけでちゃんと甘さも感じられるんだけど、でも全体的に苦い的な。
食べるところは…足の指先からかな」
「うわ、足の指先からは想像つく。
崇拝するように見上げながら少しづつ食っていきそう」
「だね。どんどん上に向かっていって最終的に顔。
でも本当は取っておくけど。どんなに食べたくても一生食べずにいれる自信がある」
「うん、まぁ龍ヶ崎先生はそうだよな。
ハルが苦いってのも納得。あれだな、ビターチョコレート的な」
「そうそうそんな感じ。
梅谷先生は?」
「櫻は…んー、味とか考えたことなかったな……
桜餅みたいな、甘さと塩っぽさが混同してるようなやつ。いや、櫻だから桜餅ってのは安直すぎるけど、でもイメージはそうだな。
食べる場所は…手の指先からか?」
「おおー同じ指先だけど僕より近い。
近くで顔見えるしね」
「あぁ。多分恥ずかしがるだろうから、それ見ながら食いたいな」
「桜餅、お茶にも合うし美味しいですね」
「矢野元も、丸雛はやっぱ和菓子か?」
「そうですね……いや、イロハは蜂蜜みたいな感じがします。トロッとしてて甘ったるい感じが。
食べるのは、可能であれば髪の毛から」
「髪!いいねーふわふわだもんね」
「はい。天パだし柔らかいので、きっと美味しいだろうなと」
「丸雛が甘いのは俺も解釈一致。口調とか、一緒に仕事してて雰囲気とかがそんな感じ」
「会長は、アキのことどうですか?」
「んーそうだな……なんか角砂糖じゃない砂糖みてぇなので、サラサラしてるイメージ。口の中で溶けるっていう。
食べるのは勿論顔からだな」
「ははっ、龍ヶ崎らしいな」
「好物は1番初めに食うんで。一気食いするから問題ないですね」
「サラサラの砂糖わかります。
上質なもので、真っ白ですぐ溶けていくような感じの」
「そう。そもそもアイツそんなイメージだったからな。
初めて会ったときから」
「えー、次は『あなたは1日のどの時間帯っぽいですか?』というやつ。折角だし他人目線でいくか」
「会長は夜ですよね」
「だね」
「これは異議なし」
「まぁ、名前に夜が入って〝麗夜〟だから。
それならヨウダイだって昼間だろ」
「あー確かに昼間。どっちかというと真昼間って感じか」
「金髪ですしね」
「僕の名前にも太陽が入ってるからね。
大きな太陽で〝陽大〟だし。
んー矢野元くんは……朝かなぁ」
「あぁ。朝の澄み切った空気感が、落ち着いてる矢野元とよく合うというか…朝の早い時間帯だな」
「俺もそれ」
「なるほど…なんとなく自分でも言わんとされてることが分かりますね。
となると、梅谷先生は……」
「夕方かな? 暗くなる一歩手前の、1日を思い返すような時間帯。
櫻さんと寄り添って長いんだしピッタリな気がする」
「これから夜になっても、先生方なら大丈夫だろうな」
「圧倒的信頼力ですね。俺たちもそこまでいけたらいいなと思います」
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。
俺も夕方は好きだな、夕焼けも綺麗だし、なんか切ない心情にもなるし。そういうとき人の温もりが恋しくなる。
……あぁ、いま櫻に会いたくなったな、ものすごく」
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