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第24話 指

 暖房、消しちゃっていいんじゃないかと思えるくらいに身体が熱い。 「あっ、はぁっ……ン、久瀬っ、さんっ」  服を捲られただけで、乳首が勃起した。服を脱がしてもらった時点で先走りが滲んでた。 「ん、あっ!」  だって、この人に、可愛いって、見せびらかしたくなるって、言われたんだ。 「久瀬さんっ、ダメっ、出るっ……っから」  そんなこと言われたら、抱かれたくてたまらなくなる。俺の中、奥まで久瀬さんでいっぱいにして欲しくて堪らなくなる。  孔を指で抉じ開けられながら、じゅるって、音を立てられて、久瀬さんの口の中にペニスを擦り付けてしまう。擦り付けたペニスが溶けそう。久瀬さんの舌が鈴口のところを掻き分けて、何かを掬い取るようにそこを舐めてくれるのが、すごく気持ち良い。喘ぎを零し続けながら、長い黒髪に指先を絡めて、たくさんの言葉が詰まった頭を撫でて、そのまま――。 「や、あぁぁぁぁぁっ!」  きつく吸われたら、我慢なんてできなかった。 「あっぁ、ン……ごめ……久瀬さん」  この人の口の中で、射精してしまった。  慌てて起き上がろうとしたら、肩を押して、ベッドに押し戻された。そして、口の中、不味いでしょって、言おうとしたところで、舌の絡まる濃くて深いキスに口を塞がれる。 「んっ……ン」  久瀬さんの舌が苦くて、不味くて、でも、興奮する。久瀬さんの舌を必死になって舐めるくらいに興奮した。首に掴まって、大きく雛鳥みたいに口を開けて、あんたの舌を欲しがる。差し込まれたら悦んでしゃぶりついて、唇にかぶりついて、そんで、唇の端から唾液が溢れるのも構わずもっと貪欲なのを与えてもらおうと、自分から舌を伸ばして。 「久瀬さん、早く、挿れて欲しい」 「……」 「俺の、ここ、早く、も、我慢できないっ」  自分から脚を開いた。久瀬さん欲しさに、股を開いて、イッたばっかのペニスから涎垂らしながら、孔をヒク付かせて欲しがってる。 「久瀬さんっ、ぁっ……ン、あぁっ……」  孔に押し付けられた熱にぶるりと震えた。そして、そのまま抉じ開けられる快感に身悶えた。 「あぁっ……ン、大き、っい」 「っ」 「あっ、ンっ……久瀬さんっ、あぁぁっ!」  ゆっくり押し込まれて、ゆっくり引いて、切なげに孔を締め付けたら、その中をまたゆっくり感触を味わうように突き入れられて。 「や、久瀬さんっ」  堪らなくて、腰を自分から揺らして、太さを味わおうとしたら、笑って、乳首を可愛がってくれた。もう硬くなってる粒を舌で転がすように舐められると、久瀬さんがいる腹の奥のところがきゅうぅんってこの人にしがみ付く。それを感じて、乳首を咥えてる口元が笑って、そして、歯で先端を引っ掻いてくれる。 「欲しがるお前、可愛いよ」 「やっ、ンあっ」  嬉しい。誰になんて思われてもいいよ。俺は、あんたがそう思ってくれれば。 「ホント、堪らない」 「あっ、あっ、久瀬さんっ、くぜっ……あああっ」  あんたが俺を可愛いって思ってくれるのなら、俺にとってはそれが一番嬉しいんだ。 「あ、あっ、あああっ」  部屋に挿入の卑猥な音と俺の甘ったるい喘ぎ声が響く。エアコンなんていらないくらいに身体を火照らせて、繋がった場所をびしょ濡れにしながら、喘いで、揺れてる。ベッドが軋むのもおかまいなしに、久瀬さんに可愛がられたい一心で、甘い声で啼いてる。 「クロ」 「あぁぁぁっ」 「お前の中、熱くて、気持ちイイ」 「あ、ンっ」  久瀬さんに感度が良くなるよう、気持ち良くなるよう躾けられた乳首を甘噛みされながら、小刻みに中を擦られて、ぶわりと快楽が滲んでいく。久瀬さんがいる場所が気持ち良さそうにあんたのことを抱きしめてる。 「あっ、あぁっ……あっ」 「クロ」 「あぁあ!」  ズンって奥、されたい。久瀬さんの硬いので奥のとこを突いて欲しい。激しくがいい。中、久瀬さんの好きにされたいよ。 「あ、あ、あっ、イくっ……イッあっ……っんんん」  段々と早くなる律動に一気に押し上げられて、イけたのに。 「あっ……なんでっ、久瀬さんっ」  ペニスの根元を久瀬さんの指が締め付けた。 「やだっ、なんでっ、久瀬さんっ、イ、くっ、あぁっ」  もっと拡げろと、片手で俺の膝を押して、脚を開かせて、そして、ズンって、深く強く突いてくるのに、指の拘束はそのまま。 「や、だっ」  ねぇ、イきたい。も、イく、のに。 「まだ、ダメ」 「やっ」 「さっき、イっただろ?」  やだ、だってもう我慢の限界なんだ。またイク。イきたいってば。 「我慢、クロ」 「あっ……ぁっ」  指の輪で俺をきつく縛ったまま、ゆっくり中を擦られて、奥へゆっくり突き立てられて、また、中を擦られて。 「あぁっ」  声が震えてた。イきたいのに、そこが止めてしまうから、身体の内側に快楽が溜まっていく。溢れてるのに、もう溢れて零れるくらいに気持ちイイのに、出せなくて、身体が熱くてどうにかなりそう。だって、俺のを握って、きつく縛るのは、あの指だなんて。あの指に、まだイっちゃダメだろって、叱られるみたいにされたら、気持ちイイのが溢れるよ。 「はぁっ……ン」  久瀬さんのペニスでいっぱいになった身体が、熱に、この人に侵されて、爪先まで、快感に染まる。イきたくて、この人にイかされたくて。 「久瀬さんっ」  この人のことしか考えられない。 「お願いっ……」 「……」 「久瀬さんので、イきたいっ」  ずぷって、ずりゅって、中を支配するこの太くて硬いので、イきたい。 「中、奥のとこまで、来て、よっ」 「……」 「久瀬さんの、で、ぁっ……ン」 「……」  もっと早くがいいよ。 「俺のこと、めちゃくちゃにして」  もっと奥までしてよ。 「ぁ、あっ……お願いっ、久瀬さん、の、で、イきたい」  もっと、ねぇ、見てて、俺、きっとあんたが思ってる以上に。 「久瀬さんの、で、イくとこ、見てて」  あんたのこと、欲しいよ。 「あ、ああああっ、ン」  ズンズンと容赦なく貫かれる。抉じ開けられて、奥までいっぱいになって、浅いところまで引いた後に深くまた突かれて。 「あ、イくっ、イく……っん」  貫かれる度に、その激しさにペニスが揺れてた。 「あ、あ、イくっ、イクっ、久瀬さんっ、も、イって、俺の中に出して、ねぇ、俺のイくとこっ」  見てて? イくとこ見て? その顔見ながら、久瀬さんも、お願い。 「あ、あ、あ、あ、あっ、あああああっ」 「っ」  数回、ずり上がるほど激しく、奥目掛けて抉じ開けられながら、イった。久瀬さんのペニスでイかされた。指の束縛が解けた俺のは扱かないまま、ただ中に放たれたこの人の熱を感じて射精してた。 「あぁっ……あっ……」  さっき可愛がられて真っ赤になった乳首にまでかかるくらい、久瀬さんのペニスに貫かれながら射精、してた。

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