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第67話 愛しき毎日

 なんだか今日のキスはとても深くてじんわりと温かくて、角度を変えてしっとりと重ねる度に眩暈がするほど気持ち良かった。触れたところから蕩けてしまいそうなくらい、濡れて、柔く火照るくらい。  そしたら、貴方が一生愛してるって言ってくれた。 「あ、ぁっ……久瀬、さんっ」  ねぇ、どうしょう。 「ぁ、あっ、指、気持ちイイ……よぉ」  貴方に抱かれたくてたまらない。 「あ、やぁっ……ン」  甘く鳴きながら背中をしならせて、四つん這いになって、貴方の指を咥えながら腰をくねらせてる。 「あっ、ンっ……」  前立腺を指が押す。内側から可愛がられて、腹に付きそうなくらい反り返ったペニスの先端から、トロトロした体液が溢れて来てしまう。 「あぁぁっ、今、や、触らないで、久瀬さんっ」  濡れた性器を握り締められて、ぬちゅくちゅ音を立てて扱かれたら、自分でも恥ずかしくなるくらい久瀬さんの指に孔がしゃぶりついた。 「あっ、あっ」  この長くて、関節のところが少しだけ太くなってる指。この指に中をかき混ぜられるとたまらなく気持ちイイ。 「クロ?」 「ン、気持ちイイ、でも」  思わず手を伸ばして、自分の孔を行き来する指に指を這わせた。身体の手前から、少し無理に手を股間に差し入れて、貴方の視界を邪魔にしないようにしながら、自分の指で孔の口を広げてみせる。 「も、欲しいよ」 「……」 「久瀬さんの、挿れて」  おねだりをした。言葉だけじゃない。きゅんって、指を締め付けて、久瀬さんのこと欲しくて、ここは充分柔らかくなってるって、身体でもおねだりをした。 「クロ」 「あっ……ン」  猫の交尾みたいに、うなじのところを甘噛みされながら、指が抜けて、疼く孔を締め付ける。 「あ」  早く、久瀬さんのでそこが苦しくなるくらいして欲しい。 「クロ、お前、やらしくて、可愛いよ」 「あ、あっ、ン、久瀬さんっ」  ずぶずぶに沈み込んで来て欲しい。一番奥の、貴方しか抉れない場所まで来て欲しい。もっと、奥。掻き分けて、舐めてしゃぶるように貴方に抱きつく内側を貫いて、奥の。 「あ、ああああっ!」  貴方しか知らない場所。 「クロ」 「あ、ンっ」 「中、きゅうきゅうしてる」 「はっ、ぁ、久瀬さんっ」  貴方に見えるように、脚を開いて、腰から背中をベッドにくっつけるように弓なりにしならせた。そして、手で隠れないように、また手を伸ばして、硬いペニスの根元をなぞる。 「ン.ぁ」 「クロ、愛してる」 「あ、あぁぁっン、や、ぁ」  ずるりと抜かれそうになると、駄々をこねるように貴方にしゃぶりつく。咥えようと、いかないでって腰を揺らしたところで、手に押さえられながら、奥を突かれて、その一突きに、浅い場所も、前立腺も、奥も悦んで、ペニスがトロトロにまた濡れる。 「言うと、中が悦んでる」 「あ、だって、嬉しい、よ。久瀬さんに、俺」  愛してもらってるんだから。丸ごと全部、貴方に可愛がられたいんだ。身体も、心も。 「あ、ぁっ……ン、やぁっン」 「クロ」 「あぁぁぁっ。深いの、気持ち、イイ」 「クロ」 「は、あっ、あぁぁぁっ」  くねらせていた背中にキスをされた。歯を立てられて齧られるとたまらなくて、何度も中をペニスで可愛がられながら唇にも欲しくなる。 「キス、したい、久瀬さん」  舌も可愛がって。 「んんんっ」  キスをしながら、手を手綱のように掴まれて、久瀬さんのペニスを挿入されたまま、ベッドの上に膝立ちになった。ずちゅぐちゅ卑猥な音はそのままで、舌も、孔も全部、それと。 「あんっ、乳首」  抓られて、扱くように摘まれて、コリコリな硬さを指先で遊ばれる。爪で弾かれても悦ぶそこも可愛がられながら、孔で久瀬さんのペニスを扱いてあげる。硬さを確かめるように絡みつかせて腰を振りたくる。 「イっても、いい? 久瀬さん、も、イく? 中、してくれる?」 「っ、あぁ」 「嬉しい……」  愛してるって言ってくれた唇をぺろりと舐めた。俺ばっかりが貴方を愛してるわけじゃない。貴方も俺を同じくらい愛してくれてる。だから、俺ばっかりが可愛がられたいわけじゃない。貴方もきっと、同じくらい、可愛がられたい? 「中、で、たくさん気持ち良くなって」 「……」 「俺の中、貴方を気持ちよくさせるの、好き、だよ。そしたら、もっと気持ちイイ、から」  自分からも腰を振って、その度にぷるんって揺れる、天井向かってそそり立つペニスを握り締めた。 「クロっ」 「ぁ、ン、好き。だよ、久瀬さん」  締まる? 貴方の精液欲しいって、吸いついてる? 「あ、あ、ああっ、はぁっン……ぁ、ン、イくっ、イっ、イくっ」 「っ」 「あ、あ、あああああっ」  ぶるりと震えた。貴方が中に放つのを感じながら、俺の手を包んでイかせてくれた大きな手の中でイかされた。躾されて可愛がられるとすぐに悦ぶようになった乳首をきつく摘まれて、うなじに主がいるとわかる痕を残されながら、射精した。 「あ……ン、はぁっ……久瀬さんっ」 「クロ」 「ン……久瀬さん、もっと」  ペニスがずるりと、中に放った白をまといながら抜けて。 「お願い、もっと、したい」 「……」 「久瀬、さ、ぁ……ン」  甘えた声で呼べば、また来てくれる。ベッドの上に寝転がった俺の脚を抱えて、股を、身体を大胆に開かせて、そして。貴方がズンとまた奥を突いてくれた。白を掻き出すように、奥に塗り込めるように、また、注いでくれる。 「久瀬さん」  手を伸ばした。 「久瀬さんっ」  揺さぶられながら、たったひとり、欲しいと願った人へと手を伸ばした。何より欲しくて、何よりもかけがえのないこの人へと手を。 「あぁ、クロ」 「久瀬さっ、ん」 「愛してるよ」  この人を、俺の、二人の幸せをこの手に掴もうと手を伸ばした。 「俺も、愛してる」  この手で――。  朝の六時半。この時期だと、まだ空は暗くて、窓の向こう、西向きのここから見える空はほとんど夜空と変わらない。でも、しばらく待ってると、向こうの建物の外壁が朝日の色を写してくれる。そして、次の窓に東から上り始めた太陽の光が眩しく光るんだ。  ほら、少しだけ、陽が登った。  手をかざしても、そんなものじゃあったかくならないって思うでしょ? きっと昔の、櫻宮稜でしかなかった俺なら、「だから、何?」って素通りしていた。見向きもしなかった。いや、そもそも俯いて見つけられなかった。 「……」  あったかいんだ。  ねぇ昔の俺、朝が来ると身体はあったかくなるんだよ。 「……クロ? どうした?」  手がじんわりとあったかい。さぁ、今日も慌しくも愛しい一日が始まるぞって、内側からウズウズする。 「眠れないのか?」 「……久瀬さん」 「?」 「俺、また、クライミングを、やろうと思うんだ」  この指先にじんわり生まれるあったかさは、今日という日はどんな色をしているんだろうと、俺がワクワクした証なんだ。

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