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第5話 高校生
やはり、小柄とはいえ人を抱き抱えていると目立つようで、ちらちらと見られているのが分かったが、顔を隠す為にもぎゅっと抱え直し、迎えを待った。
10分後…
「こんなところまで呼び付けてすまん。」
「本当だよ…今日は宗一郎は非番だっていうから、宗栄様だけに1日仕える予定だったのに……」
そうぶつくさ呟くのは、父、檜山宗栄のの秘書である、神宮寺瑛(じんぐうじ あきら)だ。
俺が11歳の時から父に仕えており、家族も同然の存在である。
その子をリムジンのシートに俺の膝を枕にして寝かせる
「んで?その子はどうしたの??」
「ん?あぁ、電車の中で突然倒れて、顔色が悪かったから貧血かと思って駅員室で休ませて貰っていたんだが、なかなか目を覚まさないから申し訳なくなってきてな。
それに、一応病院に連れて行くに越したことはないだろう?」
「ふーん。でもその子制服着てるし、学校に行く途中だったんじゃないの?」
瑛にそう言われて気が付いた。確かにそうだ。
けれど、まだ顔色は悪いから学校は無理だろう。
せめて学校には連絡をするべきだと荷物を少し漁り、生徒手帳を見つけて、ぱらぱらと中を見る。
そこには、
"玄兔学院高校(げんとがくいんこうこう)2年B組"
"一ノ瀬朔久(いちのせ さく)"
と書かれていた。
(この子は高校生なのか…!?てっきり中学生かと……)
「おーい、学校とか親の連絡先とか分かった?」
「あ、あぁ。一ノ瀬朔久という名前で、玄兔学院高校の2年生らしい。」
「えっ、高校生!!!?どう見ても中学生くらいにしか見えないけど」
「俺もそう思ってた。」
「親の連絡先とかは書いてないの?」
「これを見る限り書いてないな」
なんて話をしながら、そこに書かれている学校の電話番号に電話をかけることにした。
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