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第7話 手形
裏口から入ると、看護師長に空いている病室の場所を聞き、個室の病室まで抱き抱えて連れていく。
「んじゃ、俺は宗栄様の所に戻るからな」
「おぉ、ありがとな」
と瑛に礼を言うと、瑛は病室から颯爽と出ていった。
その子をベッドに寝かせ、
ぴっちりと第1ボタンまで閉められた学ランを脱がせ、同じく第1ボタンまで閉められたワイシャツの第1ボタンを外すと同時に俺は息を飲んだ。
そこに見えたのは白い首にくっきりと残った手形
明らかにそれは自分で残せるようなものでは無い。
(これは何だ…!?)
しかもそれだけではなく、外したボタンの隙間から痣のようなものも見え、
その他のボタンも外して身体を見ると、無数の痣や、何かで切られたような傷や煙草を押し付けたような跡まであった。
(一体誰がこんなことを…)
と、同情よりも先に、この傷をつけたヤツへの怒りがこみあげてくる。
傷はどれもろくに手当てをしていないようで痛々しく、
俺はPHSでガーゼや消毒液を師長に持ってくるように頼んだ。
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