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第24話 冷たい身体

瑛に伝えられた場所に行くと、居酒屋の前に瑛が立っていた 「っは…瑛!!!!朔久はどこだ!!?」 ぜーぜーとする息を整えながら瑛に近づく。 「宗一郎!!朔久くんは身体が驚くほど冷えていたから中に入れたよ」 「そうか、ありがとう」 というと引き戸を乱雑に開け、朔久へと駆け寄った 朔久の身体を横抱きにすると、朔久の身体がかなり冷えていることが分かる。 「それでも今は少し温かくはなったんだ。 この店と隣のビルの間の路地で倒れていた時はもっと冷たくて死んでるんじゃないかと焦った。」 「そうなのか……」 顔を覗くととかなり顔色が悪い。 「朔久……っ……」 小さな弱々しい身体をぎゅっと抱きしめた (あの時、無理矢理にでも引き停めればよかった。 もしあの時、朔久の闇にもっと近づけていたら……) と『もし』と『こうしていれば』が頭の中をぐるぐると駆けめぐる 「…ろう、…宗一郎!!!!!」 はっとして顔を上げると、瑛とその奥に救急隊とストレッチャーが見えた どうやら救急車が到着したようだ。 「保護者の方ですか?」 1度ゆっくり呼吸をすると少し落ち着き、スラスラと言葉が出てきた。 「いえ、私は檜山総合病院の精神科医で、この子は私の患者です。」 「そうなんですね、この子の保護者の方に連絡は取れますか?」 「いえ、保護者は病気で会える状況にはないと先日言われました」 その言葉を聞くと、救急隊員は少し怪しげな表情で私を見て、少し時間を置いてから口を開いた。 「…はい、分かりました。ではどなたが救急車に同乗致しますか?」 「では私が同乗します。」 「はい、ではこちらへ」 と案内され、いつの間にかストレッチャーに乗せられた朔久の隣へと乗り込んだ。 「宗一郎、俺も病院に戻るからまた後でな。」 「あぁ」 そう言葉を瑛と交わすとドアが閉められ、救急車が動き出した。

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