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第2話
ガーディアンの仕事はボディガード兼治療――発情期をやりすごすためのセックスの相手だ。首輪のないオメガは、番のいる者か裕福な者を象徴し、不特定多数をフェロモンで誘惑する習性に縛られないため、世間の心証は格段に明るくなる。
オメガであっても、無闇に踏みつけられることなく、健康に育ってほしいという父親の願いが、典生にとってはありがたくも申し訳なかった。
用意されたのは、オメガのヒートに当てられることなく、常に冷静に対処できる優秀なベータだ。年齢も典生とそう変わらない。飛び級で進学して、十七で大学を卒業した彼らは、毎日身の回りの世話と、警護と、時々治療《セックス》を施してくれる。
アルファの父親の厳しい条件を満たしたのは、同じDNAを持つ双子の青年、臣 と芹 だった。アルファ以上に秀でた頭脳と容姿の持ち主で、主人と従者の関係でなければ、並んで歩くのも気が引けるほどだ。
対する典生は、他人より秀でたものなどあるだろうかと首を捻りたくなるほど、突出した才を持たない。大抵のオメガたちは、庇護対象となる宿命ゆえに、見目麗しく、華奢で、他種より華やかに生まれつくものだが、そんなオメガの特権とも言える性質は、清々しいほど顕現しなかった。
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