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第6話

 学校に到着し、門をくぐると、二人の青年を引き連れた典生へ、遠巻きに視線が突き刺さった。ガーディアンを従えるほど裕福な存在は、そう多くない。  古くから大河内家は茶農園を所有し、世界中から呼び声の高い名茶をいくつも作っている、日本茶の老舗会社を経営していた。海外にも複数の農園を持ち、日本茶に限らずあらゆる茶葉を取り扱っている。 そんな大河内家の御曹司でもある典生は、学生たちから「お茶の王子様」と揶揄されていた。見場の良い、本物の王子様然とした臣や芹と比べられているのだろう。  ガーディアンの仕事がボディガードだけではないことなど、誰もが知っている。嫉妬は嘲笑となり、学校中に蔓延した。 ――冴えない金持ちオメガとヤってる、かわいそうなガーディアン。 ――相手がアレなんて、美形の無駄づかい。 ――あんなパッとしないのがオメガとか、嘘ついてるただのホモなんじゃん?  心ない言葉を聞えよがしに言われることも多く、どんな風に見られているか嫌というほど理解している。典生のせいで臣と芹までとばっちりを受けてしまい、迷惑にしかならない自分の存在が、悔しくてたまらなかった。

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