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第19話

入口に雄芯をあてがわれ、一気に最奥まで突き入れられた。挿入の衝撃で達した典生に口端を上げた羽根崎は、休むことなく律動を繰り返す。一度放ってもまたすぐ復活し、何度もいじめ抜かれ、行為を終える頃には疲弊しきっていた。 意識が途切れる直前、ごめん、ありがとう、と羽根崎に告げると、わずかに目を見張る気配がした。 「ふざけるな! 典生様の居場所をGPSで追って来たら……これはどういうことだ!」 「まさか典生様の項を噛んでないだろうね。鼻が利かないんじゃなかったの」  臣と芹の怒声で、暗闇の底から意識を引き上げられる。霞んだ視界の先で羽根崎が肩をすくめた。 「俺は盛ったオヤジからノリちゃんを助けてやって、発情期の相手までしたんだぞ。感謝しろ」 「どうしてお前なんかに!」  ドン、と羽根崎の部屋の壁を臣が殴り、呆れ顔の家主に「凹ませたら弁償しろよ」と苦情を言われている。  抱かれてからわかったが、羽根崎は悪人ではない。本当に悪い人間なら、わざわざ嫌いなやつを助けたりしないし、好みでもない男の発情期の面倒なんか見ない。乱暴な口調とは裏腹に、典生の身体を辿る指は意外なほど優しかった。

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