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出会いと不要な温かさ 06歩

頭を撫でながら荷物を持ってお兄さんの待つ玄関に向かうと、お兄さんと目が合った。 「それさっきからやってるけどお前の癖?」 「は、はい…」 お兄さんは僕の返事に少し怖い顔をする。 どうしてだろう?もうしかして、目障りだった? 「目障りでしたよね…ごめんなさい」 僕が謝ると「はぁ」と溜息を吐いて、怖い顔を止めて困った顔で僕の頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。 「お前には撫でてくれる奴いないのか?」 そんな人いるわけない。「死んで欲しい」と言われる存在の僕には、そんな温かいことをしてくれる人なんていないんだ。 「…そんな人、いません」 「そっか。俺が撫でてやるから、いつでも言えな」 「どうして…僕なんかに優しくしてくれるんですか…?何の特にもならないのに」 むしろ「汚い」から触りたくもないだろう。僕は他人を触るのも回し飲みも許されない存在だから。

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