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第3話
目を開ければ、見慣れない天井に見慣れない部屋
「ここ…どこ?」
まず、いま何時なんだろう?
ふと近くにあった時計を見れば朝の8時だった。
昨日…僕は家が嫌で、、えーと…
ああ、街の外れで怖い人になんでか怒られて
それから、寝たんだ。
ん?昨日…?朝の8時…?
や、やばい!!
何も言わずに出てきたから美仔さんたち絶対怒ってる。
また殴られるっ
「早く…帰らないと!」
-----ドンッ!
すぐにベッドから降りて帰ろうとしたけれど
慌て過ぎたせいかベッドから思い切り落ちた。
「いた…ぃ」
まだ怪我が治っていないのか痛みが全身にはしる。
「おい、何してる」
勢いよく扉が開いたと思えば、
そこに立っていたのは昨日の怖い人だった。
だけど、僕にとって怖いのは美仔さんたちであって、この人じゃない。
「帰らないと…」
「帰らないとなんだ?」
「怒られるから…帰る」
そう言って立とうとすれば身体中のあちこちから
悲鳴をあげるようかのように激痛で立てず、
よろけてその場に崩れ落ちる。痛い…
「どうした」
「い、、た…い」
「あ?」
「体が痛くて…立てない」
彼は「はぁ」とため息をつき
僕を軽々と抱い上げベッドに座るようにして
ポンと置いてくれる。そして僕に目線を合わせるようにしてしゃがむ。
「どこが痛い?」
「頭も…お腹も…顔も…腰も…全部」
「見せてみろ」
服をめくり上げ脱がすと大きく目を見開いて驚いていた。
毎日殴られたりしてるから怪我の跡なんて消えているわけがない。だからそれを見て驚いたのだろう。
「お前、見かけによらず喧嘩するのか?」
「そんなのしないよ」
「じゃあなんだこれは」
「やられた」
「誰に」
「…。」
初対面の名も知らない男に教える義理はない。
学校の友達にさえ言っていないのに…
言えるはずなんてないんだ。
だから僕は目線を逸らし黙り込んだ。
すると急に彼は立ち上がり隣の部屋へと
僕を残して行ってしまった。
怒らせてしまったのだろうかと考えていると
救急箱らしき物を持ってきて僕の近くにまた来る。
「手当てしてやるから全部脱げ」
「別にしなくてもいい」
「さっさとしろ」
僕が脱がないからと無理矢理脱がせ
昨日の傷や今までの傷…全てを手当てを手当てしていく。
そんな彼を見ながら僕は変な人だな〜なんて思いながら
黙って手当てをしてもらった。
「ほら、もういいぞ。」
そう言われて、急いで脱いだ服を着る。
男同士とは言えど知らない人に裸を見せるのは
少し恥ずかしかった。
「ありがとう…」
「で、誰にやられたんだ?」
さっきの話を覚えていたようで、よほど知りたいのか
僕の肩をガッツリ掴み目と目を合わせ圧をかけてくる。
「辛いなら無理にとは言わねえが、誰かに言って楽になる事もある」
知らない人だけど手当てまでしてもらっておいて
何も言わないのは失礼なんじゃないかと考え、
まだ誰にも話したことがないそれを話せば僕も
少しは楽になれるのかな?と思い打ち明けることにした。
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