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第4話

「で、誰にやられたんだ?」 うまく説明できるかはわからないけど 誰か1人くらいには話していいかもしれない。 大きく息を吸って僕は話すことを決意した。 「家族…」 「親にか?」 「ううん、本当の家族じゃない。お父さんの妹の家族なの。」 「お前の家族は?」 「死んじゃった…お母さんは病気で。お父さんは…僕のね誕生日の日にね、ドライブに連れて行ってくれたんだ。だけどその帰りに対向車線からきた車が僕たちの車に追突したんだ。その時お父さんは僕を守ってくれて、、そしたらお父さん死んじゃった。」 「向こう側の飲酒運転が原因だった…なのに…」 こんなこと今まで誰にも言ったことがなかったから 今までの押し殺してきた感情が溢れて涙が止まらない。 「なのに、、僕のせいだって。毎日毎日毎日毎日…僕をっ睨んで暴力を振るうの…お父さんじゃなくて、、僕が死ねばよかったんだ。」 「そうか」 そう言って僕の隣に座り、頭を撫でて目から出ていた涙を拭ってくれた。 「でもな、お前は何も悪くない。お前のお父さんだって絶対にそう思ってるはずだ。大切だからこそ守りたいものってあるんだよ。お父さんはお前が大切で生きて欲しいから守ったんだ。だからお前は今ここにいるんだろ?」 「うん。」 「だったらお父さんの分まで生きるんだ。そして強くなれ。」 「うん…」 そうして救急箱を片付けに行こうとする彼にタイミングを逃さないように僕は今伝えたいことを言う。 「本当だね、」 「あ?」 「少し楽になった。」 「そうか。」 僕の頭をワシャワシャと撫で再び救急箱をしまいに行った。その姿はなんとなくだけど、逞しく大きく見えた。

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