5 / 40

第5話

彼が行ってしまった後ゴロンとその場に 寝っ転がり、やっぱり帰らなきゃダメだよな…と 思いながら目を伏せて寝ていた。 そういえば、名前聞いてなかったな。 戻ってきたら聞いてみよう。 そして扉が開いたと同時に 飛び起きてそれと同時に名前を聞く。 「ねえ、お兄さん名前はなんて言うの?」 「あ?名前?」 「そう、名前。あ、僕はね白鳥佑月。」 「黒崎司」 黒崎…聞いたことあるような。まあ苗字なんて同じ人がいるからなんでもいいけど。 「黒崎さん、手当てありがとう。もう帰るよ。」 さっきまで座っていたベッドから立ち 帰ろうとした時、急に腕を掴まれる。 振り返れば少し怖い顔をして僕の方を見る司さんがいた。 「なに?」 「まだ帰すなんて言ってねーぞ。」 「なんで?帰らないと僕また殴られちゃう」 「なら、尚更だ。せっかく俺が手当てしてやったのに治る前にまた傷を作るつもりか?」 「…。」 「暫くの間ここにいろ。」 「んー。じゃあ治ったら帰る。」 その返答にとりあえず納得がいったみたいで 腕を離してくれた。 「あと、司でいい。」 「え…あっうん、わかった。僕の事も佑月って呼んでね」 「ああ」 こうして、僕の傷が治るまで司の家にいる事になった。 これが終わった後に家に帰るのが怖いことは 心の内側に閉まっておこう。 話が終わると「お前はもう少し寝てろ」と言われ 僕は大人しく寝ることにした。 僕の寝る様子を確認すると司は部屋から出て行った。

ともだちにシェアしよう!