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第6話〜司side

俺はここら一帯を納めてる黒崎組の若頭で 今日は仲間だと思っていた奴がまさかの敵対する組のスパイだったということが発覚し、かなり苛ついていた。 組にいれば裏切りなんて何回もあるけど やっぱりこれだけは本当に慣れない。 苛立ちを仲間にぶつけてしまいそうになり、 一度組から離れた俺は街の少し外れに行って 心を落ち着かせようとしていた。 そんな時に、小さい餓鬼が俺がいつも座っている場所に座っていたもんだから退かそうとしたんだ。 話しかけてみれば伏せていた顔を上げ俺を睨みつける。 その時、随分と綺麗な顔で純粋な目をしているなと思った。だけどその綺麗な顔には沢山の傷があり、 こいつもそこら辺の不良かと思えば、 「放っておけ」と人が話してる最中に寝やがった。 そこらへんの不良なら俺が誰だかすぐにわかり、逃げるところをこいつは寝た。今は11月で、こんな寒い時期にこんな場所で寝て入れば風邪を引くだろと思いながらも、俺の知ったことじゃないと、放置して帰ろうとした。 だけど、どうにもあの綺麗な顔とその顔の傷が気になり、この危うさを感じる少年を連れて帰ることにした。 普段の俺ならまず見知らぬ人を助けるなんてやらない。 そう、ただの気まぐれだったんだ。 連れて帰れば、俺のベッドに寝かしつける。 顔の傷は少々気になるものの手当てをすれば 起きると思ってそのままにして部屋を出た。 その2時間後起きた少年に俺は手当てをし 話を聞いてみれば虐待だという。 虐待をされている子を目の前で見るのは初めてで こんなに痣ができるほどされるものなのかと思った。 そんな家に帰ろうとする少年をここにいろと 無理矢理、家に留まらせた俺はどうかしているだろうか。 だけど今帰れば、せっかく手当てした意味がなくなるし、それは俺の行為が無駄だったことになる。 だから俺は佑月と名乗る少年をベッドに再び寝かしつけ部屋を出た。 そして、1週間は安静にする期間が必要だろうと考え、俺の第1補佐である桜庭京に連絡を入れる。 ーーー『はい』 「桜庭、訳あって暫くそっちに顔を出せそうにない。悪いが、1週間分の俺の仕事をパソコンの方に添付しておいてくれないか?」 ーーー『それはいいですけど、何かあったんですか?』 「ああ、餓鬼を拾った。」 ーーー『子供ですか?一体どうして…』 「子供って言っても多分高校生くらいだ、まだ他には漏らさないでくれ。訳はまた後で話す」 ーーー『わかりました。』 「じゃ、頼む。」そう言って電話を切った。 昨日は寝ておらず、自分自身もそろそろ眠くなってきた。 だからベッドには行かずリビングのソファで少し寝ることにした。

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