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第7話

僕が起きたのは11時半でお昼前だった。 周りを見渡しても司はいなくて、部屋を出て探しに行くこてにした。 部屋を出てすぐのリビングに行けば ソファで寝ている彼を見つけ起こさない方がいいかな? なんて思いながらも、彼の綺麗な寝顔に思わず見とれてしまい、ボーっと見つめていた。 「本当に整ってる…僕もこんなかっこいい顔に 生まれてみたかったな」 そう独り言を呟くと彼は急に目を覚ましたようで そのまま佑月を睨みつける。 睨みつけるというよりは寝起きが相当悪いんだろう… 「何してんだ」 「お、、起きてたの…」 「お前の声でな」 「ごめんなさい」 シュンとしいる佑月に「別に怒ってねえ」と言うとソファから起き上がる。 「怪我はどうだ?」 「わかんない」 いつもは怪我なんか放置しているし 手当てしても新しい傷を作るから 治るタイミングだとか、これは治り始めているだとか全く分からなかった。 「とりあえず、飯食うか。腹減ってるだろ?」 「うん…」 「座って待ってろ」 司はキッチンに向かい何やら作ろうとしていた そんな姿は、なんとなく似合わないなって少し思いながらも何をしているか気になり角から見えないように隠れて作業を見ていた。 「何してる。来たいなら来ればいい」 上手く隠れて見ていたはずなのにバレてしまったようでスタスタ歩いて司の元へ近寄る。 「ねえ、これ何作ってるの?」 「カルボナーラ」 カルボナーラだなんて、この人の見た目からして作らなさそうだったので少し驚いたが、よくよく考えてみると、もしかしたら僕でも食べられるようなモノにしてくれたのかもしれない。 事実、僕はパスタが大好きだ。 「おいしそうだね」 「そうか?そろそろ火使うから座って待ってろ」 「うん」 少しだけ作業が見れて満足した佑月は 大人しくソファに座って待つことにした。 それから5分程したら出来たようでお皿に乗った カルボナーラを司が運んで来てくれた。 司も座って手を合わせると既に食べ始めている反面、佑月は黙ってそれを見ていた。 「食わないのか?」 「え…いいの?こんな出来立ての食べて。」 「何言ってんだ?それはお前の分だぞ」 そんなことを言われ目をキラキラさせて まるで初めて食べるかのように丁寧にフォークでカルボナーラをすくい一口食べる。 「うぅ…っ」 食べた瞬間泣き始めた佑月を見て司は 驚き食べる手を止めた。 「不味いなら食わなくていい」 「ちがっ…違…ぅ、、おいしくて…」 「紛らわしいな、別に普通だろ」 「ううん、僕ずっと残り物とか…冷めたものしか食べて来なかったからっ…久々にこんな暖かいご飯食べた気がする…」 「そうか、なら、最後までちゃんと食えよ?ここにいる間はいつでも作ってやる」 「うん」と返事をすれば再びフォークを手にして口一杯にカルボナーラを頬張った。 それは食べ終わるまで一切話さないほどに夢中なって食べていたほどだ。 この時を一生忘れてはいけないと心に聞かせながら。

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