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第15話
鳴り響く着信音…
その画面に表示されている相手は僕が嫌で逃げ出してきた相手…美仔さん。
着信音が鳴り止まないって事は…
かなり怒っている。
そろそろ本当に帰らないとダメなのかもしれない。帰ったら殴られるのは目に見えている。
だけど…帰らないと…
「怖い…」
初めてこんなに反抗したから
今回ばかりは何をされるかわからない。
もしかしたら殺されるかもしれない。
そんな不安で押しつぶされそうだった。
まだ家を出てから3日目だ。
今ならまだ間に合うかもしれない。
許してもらえるかもしれない。
確かにここにいる間は、久々に楽しいことだらけで嬉しかった。だけどその反面、家に帰らないと何をされるかわからない…そんな不安でいっぱいだった。
「かえ…らないと。」
でも、司には大人しく家にいろって言われたのに…
どうしよう…
だけどこの恐怖はきっとここにいては
一生治る ことはない。
ならやっぱり僕は帰る方を選ぶ。
ごめんなさい、ちゃんとお留守番できなくて。
鳴り響く携帯を手にして、早く早くと頭の中で連呼しながら、初めて来た時と同じ服を探しそれを着る。
そして玄関まで走って向かい、ドアノブに手を
かけようとした瞬間、それよりも先に扉の向こう側が開いた…
ふと、目線をドアノブから正面に変える。
「つ、かさ…」
顔を上げてみてみればそこに立っていたのは司で初めて会った時と同じような怖い顔で僕を見下ろしていた。
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