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第17話
司の家を出てから30分後、
最初は道に戸惑っていたが、行き交う人に尋ね
街まで来ることができた。
街までくればあと20分くらいで家に戻ることができる。
司にもう会えなくなると思うと少し寂しいけれど、僕と司のことを考えればこの選択が正しいに決まってる。
大丈夫、元の生活にお互い戻るだけ。
街を抜け、家の近くの公園までたどり着くと
たった3日いなかっただけなのに少し懐かしさを感じる。
この公園はまだお父さんとお母さんがいたころ
晃くんに遊びに連れてきてもらった場所だ。
あの頃は楽しかった。
そしてその公園すらも通り越し、家の前まで着いてしまった。
家の前で元の生活に戻る覚悟を決め、扉を開ける。
玄関には美仔さんだけの靴があった。
和夫さんと晃くんはまだ帰ってきていないらしい。
靴を脱いで部屋に戻ろうとすると目の前には
酷く怖い顔をした美仔さんが肩を震わせ怒りに満ちた顔で僕の方を睨んでいる。
「美仔さん…ごめ、、んなさい。」
「あんた、今までどこで何してたのよ!!」
佑月の謝罪すら無視して手にもっていたスマホを、佑月の方へ投げつける。
「友達の家に泊まってたんです」
「まさか、余計なこと話してないでしょうね?」
「話してない」
友達なんて嘘だし、話してないというのも
嘘になるけど、司のことを言ったところでこの人には関係ない。
司と過ごした時間…それすらも偽る。
「またその顔?嘘ばっかいって。ちょっと来な」
美仔さんは僕の服を掴みお風呂場へと連れて行く。
そのお風呂場の浴槽には水が溜まっており
これから何をされるか直観的に察する。
「ちょうど昨日の水が残ってたの。」
「だから正直に話さないとこうだよ」
掴まれていた佑月をそのまま浴槽に押し込める。
「はぁっう…やめ、、ンンッ!!!」
「まだまだこれからよ」
押し込めたり水から上げたりを繰り返され
段々、息ができなくなる。
そんな僕を見て美仔さんは笑って楽しんでいる。
もはやこれは、真実なんてどうでもよくて
3日分のストレス発散をされているかと思ってしまうくらいに。
「さっさと言わないと死んじゃうわよ!!!アハハッ!!」
「苦しっ…ハアッ!!ンンンンッ!!!」
もうだめだ…息ができない…
そのまま僕は意識が途絶えた。
「…?なあに?もう終わりなの…?」
「ったく、つまんない餓鬼ね」
美仔さんは佑月をその場所に放置し
リビングへと戻った。
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