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第19話
僕が家に戻ってから5日目の朝。
帰ってきてから暴力と犯される日々が
続いていて体と精神、共に限界が来ていた時のことだった。
「そろそろ学校に行きなさい」
「昨日アンタの担任から連絡が入ったのよ」
「先生が…?」
「そうよ、全くアンタの担任も余計な人ね。怪しまれる前に早く行きなさいよ」
「わかった」
「それと余計な事言ったらどうなるかわかってるね?」
「うん」
「じゃ、さっさとして」
美仔さんに僕の担任が、学校に登校する日数が少な過ぎて連絡をしたらしい。そのせいで僕に八つ当たりがくるかもしれないけど、おかげで美仔さんから離れる事が出来る。
ありがとう、先生。
「行ってきます」そう言っても誰も行ってらっしゃいとは返してくれないけど、それでも僕はこの5年間言い続けている。そしたら、いつか…「行ってらっしゃい」と誰かが返事をしてくれるかもしれないから。
そして今年で僕も高校3年生だ。
ここまでくると本当によく色々バレずに3年間も通ってこれたものだと自分に感心する。
痣を隠すのも大変だったし、夏でも熱いのを我慢して学ランをしっかり着て過ごしていたりした。
そして部活に入りたくても部費や遠征費がかかってしまうしから入りたくても我慢してた。
帰る時間だって、遅くなれば必ずお仕置きが待っているから早く帰るように努力した。
でもそんな生活もあと3、4ヶ月ほどしたら
終わるんだと思うと正直嬉しい。
そして久々の学校…2週間ぶりだったかな?
少し緊張するけど…頑張ろう。
学校の門を潜り抜け、自分の教室に行けば
一斉にクラスの生徒がこちらを向く。
そして僕に近寄る3人。
「佑月いいいい!!待ってたんだからね!」
「大丈夫?大丈夫なの?」
「佑月久々だな!もう平気なのか?」
「おはよう、佑月くん!」
朱莉ちゃんと龍樹と陽太だった。
僕はいつもこの3人と仲良くしていて
久々に会えたかと思うと嬉しかった。
「おはよう、ごめんね心配かけちゃって…」
「いいんだよ!お前が元気なら!な!みんな!」
「そうだよ!」「うんうん」などクラスの生徒たちはみんな頷き僕が来たことに喜んでくれてる。
ここの人たちはいい人ばかりだ。
だから僕は高校3年間頑張ってこられたのかもしれない。
だから、僕はいっぱいの感謝を込めて…
「ありがとう」
そう笑顔で答えた。
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