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第22話〜司side

佑月と離れてから数日後… 今日も仕事を終わらせ帰ろうとした時、桜庭に話しかけられ止められた。 「若、最近イライラしているようですが、何かあったのですか?」 「別になんもねーよ」 「ですが…皆、若がイライラしているという話題で持ちきりですよ」 「あ?別にしてねえだろ」 「…。」 司はそう言ってポケットにあるタバコを取り火をつけて吸う。 本当はわかってんだ。イライラしてることも、その理由も。 それは佑月が家を出て行ってからだ。 あの日佑月が心配で急いで仕事を終わらせ帰れば、家から出ようとしていた佑月を見て俺はショックだったんだ。絶対に約束は守ってくれると思っていたし、佑月が願えばこの先守ってやるつもりだったから。 でも聞けば、帰りたいと言う。 俺の家より前の家の方がそんなにいいのかと 苛立って、もう二度と来るななどと言ってしまった。 今思えば、俺は酷い事をした。 本当は閉じ込めてでも、元いた家に帰さなければ、まだ俺の家には俺の帰りを待ってくれる佑月がいたのだろうか。 それに俺は知っていたはずだ。佑月があの家でどんなに苦しい想いをして今まで過ごしてきたのかを… それを知った上で俺はまた、元の…俺らが出会う前の生活に戻してしまった。 本当に最低だ… 「はぁ…俺らしくもねぇ」 「何に悩んでいるかは存じ上げませんが、後悔しない選択をしたらいいと思いますよ」 「…。」 「若がずっとそんなんだと皆も不安でしょう」 「そう…だな」 たった5日間過ごしただけで 俺の中で佑月はかなり大きな存在になっていた。 だから俺は、もう一度チャンスを貰うため…二人で話すため…あの日交換した連絡先へと電話を掛ける事にした。

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