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第23話
寒い…痛い…苦しい…
物置に閉じ込められて2時間くらいが経過した。
あんな水に顔面を突っ込まれ全身はびしょ濡れなのに、この寒い時期に…しかも夜に外に出されるなんて確実に凍え死んでしまう。
どうせ死ぬなら、最後に司に会いたかった…
会えなくても、声だけを聞きたかった。
出て行ったことを謝りたかった。
「司…会いたい…よ」
さっきから体の震えが止まらない。
寒くて本当にどうにかなりそう。
それに段々眠くもなってきた。
ここで寝たら明日僕は生きているのかな?
生きててもいい事なんて何もないけど。
だったらここで死んだ方がもう楽になるかもしれない。
お父さん、お母さん…
やっとそっちに行けそうだよ。
また3人で幸せに暮らそう?
そう思って目を閉じようとした時…
何故だか右ポケットが振動する。
右ポケットから震えている物を取り出せば
それはスマホだった。
その時僕はこれで助けを呼べたなら今この状況から助かるかもしれないと思った。だけど…クラスの人には絶対に言えないし、僕にはもう誰も頼れる人がいないから、電話なんて出れやしなかった。
だから諦めてそのまま着信を無視しようと思い、そのままスマホをポケットに戻した。
それに早くお母さんとお父さんのところに行きたい。
しかし、着信は一向に止む事は無く、何度もかかってくるものだから、一度だけ気になってもう一度スマホを取り出し画面を見ることにした。
スマホの画面を見れば《司》と表示されていて
ずっと鳴り響いていたスマホの正体は司からの着信音だった…。
「司っ…」
その表示を見て、最後に司に謝りたいと思い
司からの着信に出る。
「つかっさ…」
ーーー『佑月か?』
「司っ…司…ごめんっ…ね…僕、、司を傷つけたっ」
ーーー『いや、俺が悪かったんだ。ごめん。』
ーー『なぁ、今から会えないか?話したい事があるんだ』
「はぁっ…司…それは、、無理だよ…」
ーーー『…佑月?』
「僕もう、、死、、んじゃうっから。」
ーーー『おい、今どこにいる』
「もっと…司と話したかったな」
ーーー『佑月、いい加減にしろ。場所を言え!』
「ごめっん、ね…」
そう言って電話を自分から切る。
これ以上は迷惑かけられないよ。
司の声聞こえてよかった…
ありがとう。
そして僕は意識を手放した。
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