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第25話〜司side

琉樹に教えてもらった場所に着くと そこは普通の住宅地だった。 そして目の前には《松坂》と書かれた表札。 確か佑月は白鳥だったはず。 だが、琉樹に限ってこんな普通の家の情報を間違えるはずがない。なら、佑月は昔の名前をそのまま使っているとも考えられる。 「若、どうしますか。普通の家ですよ…ここ」 「だが、琉樹が言うんだ。間違いねえ」 「そうですね」 佑月の電話の様子からして声が少し震えていた。だとしたら、外にいる可能性が高い。 そう思い、家の入り口に入ろうとした時… 桜庭に一度止められる。 「若、ここは普通の家庭です。我々とは世界が違う。だから、騒ぎを立てるような事はしてはいけませんよ。後々面倒なことになりますからね」 「ああ、わかってる」 桜庭の言葉を聞き、中に入る。 だが辺りを見回しても佑月らしき人は見つからない。 「どこにいる、佑月…」 外じゃないのか?だとしたらどこだ。 もう一度辺りを見回し、全てを見渡す。 すると、何故だか奥にある物置が気になった。 見た限り佑月は外にいない。 だとしたら物置が一番可能性ある。 司は急いで物置の場所に行き、開けようとするが、鍵がかかっていて開ける事ができない。 「クソ、ぶっ壊すしかねえか」 そうして、足を上げて壊そうとすると またしても桜庭に止められる。 「若、それが一番騒ぎを起こします。俺が開けますんで落ち着いてください」 「早くしてくれ」 桜庭はスーツの胸元からピックを取り出し鍵を開ける。 ------ガチャンッ 「若、開きました」 「ああ、助かる」 物置を勢い良く開け、中を見る。 「佑月!!」 すると物置の扉の陰になってる場所に 佑月が体を縮こませながら倒れていた。

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