37 / 40
第37話
車で1時間かけてついた場所。
それはスマホで見た海よりも綺麗で
美しく、広大に広がる海がそこにはあった。
「ほら、着いたぞ」
「わぁ…綺麗」
その瞬間僕は思い切り車から飛び出して
海がある方へと向かった。
「おい、こら!転ぶなよ」
「はーい!」
走って走って…波が僕の足元に届くまでの場所に行った。
しゃがんで海を見てみれば透き通った水から
お魚たちが見える程にその海は綺麗だった。
そして、暫くすると司も僕の元へ来て
海を眺めていた。
「つかさー綺麗だね!お魚も見えちゃうよ」
「ああ、そうだな」
「もっと近くで見てよ!」
そのまま立ちながら海を見ている司の腕を
無理矢理引き、しゃがませる。
「なんだよ」
「ほら、見て、」
「フッ…」
「何笑ってるの!?」
「いや、たまにはこういうのも悪くないなと思ってな」
「楽しい?」
「まあ、お前とここに来れたのは良かったな」
「僕も!」
司が初めて…鼻で笑っただけだけど…
それでも初めて…笑ってくれた気がする。
嬉しい…
今日のお出掛けは成功かな?
2人とも楽しめたっぽいし成功ってことにしちゃおう。
でも僕には…まだ見たいものがあるんだ。
せっかく連れてきてもらったし
少しだけ我儘言ってもいいよね…?
「司、夕日も…見たい」
「今日はお前のために連れてきたんだ、好きにすればいい」
「…本当にいいの?」
「ああ、」
「ありがとう」
こうして僕だちは陽が沈む瞬間にまた来ることにし、その間に夜ご飯を近くのお店で済ませることにした。
ともだちにシェアしよう!