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第21話
「三日……三日前までは傷が目立つので休んでいました。いつもは事務所にいますが、そういう時はフラリといなくなるので何をしているかは知りませんが」
今日みたいに酷い扱いを受けて、仕事が出来ないから一人でフラフラしてたのか……。
それで、腹が減りすぎて俺に声を掛けて客にしようと。
なんなんだ、これは。
あの日、猫達と遊んだり眠ったりしてた千鶴は子供のようだった。だけど、河内から聞いた話は人間扱いなんかされてない、ただの物じゃないか。
「今日は、ここに連れて行く様にと言われました。仕事以外で初めてそう言われました」
一瞬だけ河内の表情が揺れた気がした。
けれどすぐにまた能面に戻って、甘ったるいコーヒーを一気に飲み干した。
「そろそろ帰ります。ごちそうさまでした」
一つお辞儀して河内は帰って行った。それを玄関先まで見送ると、客間で眠る千鶴の様子を見に行った。
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