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第22話

規則正しい寝息をたてて眠っている姿はあどけなくて、どこから見てもガキだ。 そんなガキが体張ってボロボロになってるのは見てて辛い。 顔にかかった髪を直してやると、寝返りをうった千鶴が身体の痛みのせいなのか、目を覚ました。 ぼーっと天井を見つめる千鶴を頬杖を付きながら観察してると、やっと俺に気がついて綺麗な目を見開いた。 「大丈夫か?痛むか?」 「あー……えと、痛いけど大丈夫……」 「そうか」 俺と千鶴の会話に猫達が寝たまま耳をピクリと動かしていた。 猫を撫でるみたいに千鶴の頭を撫でる。驚いたのか、ビクっと身体を縮こませる千鶴。 「今日はもうゆっくり休め。朝になったら美味い飯喰わせてやるから」 子供をあやすように撫で続けると、やがて目を閉じてまた眠りにつく。 その綺麗な顔には傷一つなくて、コイツが本当にさっきの精液まみれの男と同じだとは信じられなかった。

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