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第23話

仕事をしようと客間を出たが、また集中してる間に居なくなったら嫌だなと思って、予備の布団を客間に敷いて千鶴の横で寝転がった。 昼夜逆転生活をしているせいで、眠くなくて読みかけだった本を月明かりだけを頼りに読んだ。 客間の窓から見える月は満月で、明るい夜だった。 ずっと長い事、猫達としか暮らしてこなかったし、うちに泊まる人間もいなかったから少し不思議な感覚だ。 老朽化で冬はすきま風が入ってきてどの部屋も寒い。本格的な冬が来る前に建付けを少し直して貰わなきゃいけないな。 いつもフラフラと居なくなる、って河内は言っていたから傷が治ればまた千鶴はいなくなるんだろう。 そもそも一度会っただけの俺のとこに来るなんて思いもしなかった。 だけど見捨てられない性分だ。 買う気はないけど、落ち着くまで面倒をみるくらいなら別にいいかと眠る千鶴を見て思った。

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