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第92話

動きを速めると喘ぎ声を小刻みに上げて答える千鶴の中を感情ごと貫く。 俺の腕の中にすっぽりと納まるその身体が愛しくて、愛しくて。 「んっ、んっあっ、待っ……さつき、さ」 声だけじゃなく身体も、快感に悶えてもつれていく。 待って、なんてお願い、聞けるわけがない。俺だってもう限界だ。 「さつきさっ、さつき、さっ……」 しがみついて何度も名前を呼ばれる。 その度に中がギュウギュウと締め付けて来て、俺を搾り取ろうとする。 「千鶴、イキそう……」 耳元で息を荒くしながら言うと、必死で頷く千鶴の後頭部に手を回して自分の方へ引き寄せる。 しがみついていた千鶴の手が爪を立てて痛みと痕を残す。 舌を絡ませるキスをしながら、欲望に任せた動きを数回繰り返すと一番の高みまで一気に駆け上がり、抱き潰すようにギュッとお互いの腕に力が入って、その瞬間二人ほぼ同時に熱を放った。

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