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第93話
空が薄く白みかける頃まで何度も重ね合い、求め合った。
千鶴から薬の効果が切れているのは二回目の時に気が付いていたけれど、だからって止めるつもりはなかった。
千鶴が欲しがるまで何度でも与えようと決めていた。
実際はそんなに回数こなせるほど絶倫じゃないから千鶴の若さに負けるかと思っていたけど、千鶴が欲しがったのは物理的な繋がりではなくて慈しんで触れ合う事だった。
精を吐き出して、それを片付けて、ただ黙って抱きしめ合う。
たまに肌にキスをして、髪を撫でて頬をすり寄せ合う。
そうしているうちにまた中に入りたくなってゆっくり繋がる。激しく動く事もなく、じんわりと伝わる温もりを感じるだけでお互いの感情が昂って、少し動くだけで達してしまった。
「なぁ、千鶴」
「ん? なぁに?」
「俺が起きるまで、ちゃんと隣にいろよ」
「……わかったよ」
やがて疲れきってぐちゃぐちゃなまま抱き合って眠った。
次に目が覚めたらちゃんと綺麗にするから、だから今はこのまま眠らせてほしい。
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