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第100話

施設で暮らしていると、真幸の様に何度も虐待を繰り返されては戻ってくる子供を何回も見てきたから、「おかえり」なんて絶対言わなかったのに。 相手を傷つけるだけだと分かっていたのに、真幸にはそう言いたくなった。 真幸は暗い目を俺に向けて、そして、笑った。 俺に対する真幸の執着はそこから始まったんだと思う。 「俺達はその後もずっと一緒に育った。真幸は普段は無気力なのに突然キレて暴れたりするようになった。それを止められるのは俺だけだった」 小学校に上がってからは毎日、誰かと喧嘩してそれを俺が止めに入る。 毎日のように爺さんが頭を下げに行って、毎回「これだから親のいない子供は」と言われた。 親からそう育てられたのは真幸で、それをからかったのは相手なのに悪いのはいつも真幸にされた。 子供ながらに、大人の狡さを知って俺と真幸は二人の世界に閉じこもるようになった。

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