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第107話
一見、真幸が俺を支配しているように周りには見えていたと思う。実際は真幸が俺と一緒にいる為に自分の身体を売って金を作り、俺は真幸に貢がれていた。
貢がれていた、と言っても欲しい物なんて無かったからいつも勝手に真幸が俺に何かを買ってくるだけ。
食べ物や服や、高そうなアクセサリー。
真幸は俺が真幸の買った物を身に付けるのを喜んだ。自分のものになったみたいに思えて満足すると言っていた。
どうでも良かった。勝手にしてくれと思っていた。
それで真幸が満足するなら別に何でも良かった。
俺と真幸はこのままこうやって生きていくんだと漠然と感じていた。
ただ、俺も真幸も爺さんには迷惑を掛けないようにしていた。
施設が俺達の家だったし、そこを追い出されたら帰る場所がなくなる。それに、ここまで俺を育ててくれたのは爺さんだ。
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