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第108話
夜になったらなるべく帰るようにしたし、学校もちゃんと行った。
たまに朝まで遊んだりはしたけど、ヤバイ事には手を出さないようにしていた。
喧嘩して傷だらけになっても警察のお世話にはならないように上手くやってた。
中学を出たら働いて自立する事が爺さんへの恩返しになると思っていた。真幸も進学するつもりはないと言っていたから、二人で金を稼いで施設の近くに部屋を借りようなんて話を楽しそうに真幸が話していた。
けど爺さんは進学しろと言った。高校までは安心してここにいろと。
働くのはそれからでも遅くない。頑張れば大学も行けるから、高校だけは出ておけと説教され渋々了承した。
荒れた生活をしているわりには勉強は出来た方だった。真幸は俺より頭が良くて、なのに勉強してる姿は見た事がなかった。
中学三年生、冬。
爺さんの希望通り、俺も真幸も高校を受験して合格した。
爺さんは涙目で喜んだ。
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