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第115話
「皐月さんは、オレと真幸さんを重ねて見てるの?」
「まさか」
フッと軽く笑い飛ばして答えた。
ここまで話しを聞けば同情だと思われても仕方ないだろう。
「お前を真幸と重ねてたら抱いたりしない。手なんか出せない」
真幸は今も俺の中では家族と同じだ。
その家族と千鶴を同じに考える程、俺は馬鹿じゃない。
最初はウリをやってる事で真幸を思い出したりもしたけれど、千鶴を知れば知る程、真幸とは別物で同じになんて思えない。
「そっか……良かった」
心底ホッとした顔で優しく笑った千鶴。
何だかたまらなくなって強く抱きしめた。
「オレ、ここにいていいんだよね?」
「ああ……」
誰かに傍にいて欲しいと思った相手は千鶴だけ。
この初めての執着心を上手く伝える方法を俺は知らない。
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