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第121話

高校生活はそれまでと打って変わって大人しいもんだった。 一緒に連む相手がいなくなった事で、一人で過ごす時間が多くなっていた。 真幸と通うはずだった高校に一人で通う。 その近辺でそれなりに顔と名前が知られていた真幸がいなくなって、ここぞとばかりに一人の俺を狙ってやり返しに来る奴もいた。 ただ、残念な事に喧嘩は真幸より俺の方が強かった。 やり返しに来た奴らを片っ端から返り討ちにしていたら、そのうち周りにも寄ってこなくなっていた。 傷だらけになった拳を見ながら、真幸は今、どうしているのだろうとよく考えていた。 真面目に学校に行ってるのか、それとも新しい土地で悪さをしてるのか。 どっちにしろ、元気でやってるならそれでいい。 出来れば新しい家族と仲良く幸せに暮らしていてくれたら、俺も嬉しい。 俺は真幸を通して、喜怒哀楽を知った。 無感動な自分に怒りや哀しみ、喜びや楽しさを教えてくれたのは真幸だった。

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