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第125話

「その担任は根津って名前で、割りと生徒には人気があった。教師の中では若い方だったし、ノリも良かったからな」 生徒の話をちゃんと聞いてくれるいい先生だと評判は良かった。俺みたいな面倒な生徒にも嫌な顔一つしないで話を聞いてくれた。 両立が出来るように時間を決めて勉強と創作の真似事をやって、始めて一つの話を完成させた。 汚い字で書いたノートを持って根津にそれを見せた。読まなくてもいいから、完成させた事を伝えたかった。 根津は自分の事の様に喜んで、そのノートを受け取った。ゆっくり読ませてくれ、と言われて素直に嬉しかった。 根津が好きなのだと自覚したのはその時で、俺は真幸が男相手にウリをしていたのを思い出した。好きになったのが男だった事にショックを受けなかったのは、そんな環境が身近にあったからだろう。 逆にそれが妙にしっくりきて、俺は自分が男しか好きになれない事を自然と受け入れる事が出来た。

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