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第127話
高校を卒業してからは施設を離れ一人暮らしになった。施設には十八歳までしか居れない決まりだったからだ。
それまでバイトで貯めた金は結局、爺さんには受け取って貰えず半ばヤケになってアパートを借りる資金に充てた。
施設育ちで親のいない俺がまともな会社に就職出来るはずはなく、爺さんの伝手で型枠大工の仕事に就いた。
日中、散々動き回り力仕事をした後、力尽きて寝落ちるまでペンを握った。
型枠の仕事は面白かった。型を作ってコンクリートを流し込む。簡単に言えばそれだけだが、建てる物によって型を一から作っていく。
創作も型枠も一から作る作業が俺はどうやら好きみたいだ。
筋力が必要な仕事だから、日に日に身体も逞しくなっていった。
休みの日も疲れた身体を休ませるのと、創作をする事であっという間に一日が終わってしまう。
欲しい物も特になかったから、給料は多くはなかったけど段々貯金は増えていった。
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