「元気と言えば元気だったよ。皐月は？」 「俺は見ての通り、元気だよ」 会話が途切れて、静かになる。 昔から会話なんて無くても波長が合ったのか、居心地が悪いと思った事はなかった。 けれど、久しぶりに会ったせいか変に緊張していた。 幼さが抜けてカッコよくなった。あの頃も顔は良かったけど、更に男前になっている。 「今は、何してんの？　仕事？　大学？」 あの新しい父親なら大学まで行かせられる経済力はあるだろう。 真幸は元々頭も悪くないからもしかしたら良い大学に行ってるのかも。 「色々……」 「色々って？」 「借金回収したり、迷惑な客痛め付けたり」 何となく、真幸を見ていれば予想は出来たけど。 それでもそうじゃなきゃいいな、って思っていたんだ。 ちゃんと真っ当な幸せにありついてるって。 「……家族は？」