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第136話
「元気にしてんじゃない?」
「会ってないのか?」
新しい父親はちゃんとした人だったはず。
真幸が道を外すような生活をさせる様な感じには見えなかった。
「どれだけ周りの評判が良くても、実際は違うもんなんだよ。そんな事、お前なら知ってるだろ」
含み笑いで答えて、煙草の煙を吐き出す。
「俺の母親の男見る目ってとことん腐ってんだろうな」
伏し目がちに呟くと灰皿に煙草を押し付けて火を消す。
俺の煙草はとっくに灰になって燃え尽きていた。
「何を……されたんだ?」
真幸が幸せになる事を心の底から祈っていた。
一緒に育った兄弟のような存在。
俺みたいな何も持ってない奴を好きだと言ってくれた存在。
そんな真幸がこれ以上不幸にならないようにと、ずっと願っていたのに。
「……ストレスの溜まる仕事だったんだろうな。世間体ばかり気にして、外では良い旦那を演じてさ」
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